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「山林王」のお宝ずらり 桑名で企画展

二代清六の茶道具コレクションなど貴重な美術品を紹介する企画展=桑名市博物館で

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 大正末期から昭和初期にかけて建てられ、今年に入って取り壊された「諸戸徳成邸」(桑名市東方)で保管されていた貴重な美術品を一堂に展示する企画展「山林王の蔵の中」が、桑名市京町の市博物館で開かれている。二十四日まで。

 同邸は、米穀の売買で得た富を元手に山林経営に乗り出し、有数の林業家となった諸戸清六から事業を引き継いで二代清六を襲名した四男・清吾(一八八八〜一九六九年)の居宅。貴重な近代建築として評価が高く、市も保存を検討したが財政難で断念した経緯がある。東京で暮らす孫らは敷地の売却を決断。邸内に残された二代清六ゆかりの品々を市に寄贈した。今回の企画展は同館が受け入れた約三百件からえりすぐりの約九十件を紹介している。

 目を引くのは、政治家から実業家、果ては高級軍人まで広がる人脈の豊かさ。三菱財閥を発展させた実業家で俳人でもあった岩崎小弥太の俳句を掛け軸に仕立てたものや、三井財閥の基礎をつくった益田孝(鈍翁)が「殖林(しょくりん)」の銘をしたためた茶杓(ちゃしゃく)、明治時代に首相を二度務めた松方正義の書などから、豪華な人付き合いが浮かび上がる。喜寿の祝いに贈られたとみられる書「真寿(しんじゅ)」は、養殖真珠を日本の重要輸出品に高めた御木本幸吉の作だ。

森有節「有節萬古菊絵鉢」(桑名市博物館蔵)

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 担当の鈴木亜季学芸員は「教科書に出てくるような著名人との交流が数々の名品からうかがえ、諸戸家の勢いにあらためて驚かされる」。江戸末期から明治にかけて活躍し、一度途絶えた萬古焼を再興した森有節の絵鉢など茶道に親しんだ二代清六の茶道具コレクションにも触れられる。九、十五日のいずれも午後一時半から、学芸員による展示解説がある。(問)同館=0594(21)3171

 (谷村卓哉)

 

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