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まちの宝、無残な傷 台風21号で文化財22件被害

強風で根元から倒れた桜=津市美杉町三多気で(津市提供)

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 県教委は六日、台風21号で被害を受けた県内の文化財が計二十二件に上ったと発表した。強風で屋根瓦や壁が落下したり、木が倒れたりした被害が多い。台風最接近から二日以上経過し、その爪痕が各方面に広がっていることが改めて浮き彫りとなった。

 県内で唯一の建造物の国宝に昨年指定された、高田本山専修寺(津市)の御影(みえい)堂と如来堂では、瓦が落ちたり、雨どいや金具が破損。専修寺は国重要文化財(重文)の建物でも、装飾の銅板やしっくいが落ちる被害があった。

 国宝と同格とされる「特別史跡」の本居宣長旧宅(松阪市)でも、屋根の飾りの一部が破損。同市では、国重文の旧長谷川家住宅でも、複数の建物の壁のしっくいが剥がれた。津市の国史跡谷川士清(ことすが)旧宅でも壁の一部が剥がれた。

 津市美杉町の国名勝・三多気(みたけ)の桜は二本が折れた。津市一志町の山中では、高さ四十メートルを超える「矢頭のオオスギ」が半分ほどの高さで折れた。

 県教委社会教育・文化財保護課の担当者は「幸い文化財が維持できなくなるほど大きな被害はなかった」と話し、修繕について「国や県に補助制度はあるが十分な金額ではなく、各文化財の所有者に補修してもらうことになる」とする。

 (森耕一)

◆「谷川士清旧宅」外壁剥がれる 津の国史跡

外壁のしっくいが剥がれた谷川士清旧宅=津市八町で

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 津市八町の国指定史跡「谷川士清旧宅」では、東側の外壁のしっくいが縦一・二メートル、横四十五センチにわたって剥がれ落ちた。裏口の引き戸の障子が破れたり、通気口が壊れる被害もあった。

 旧宅は一九七九(昭和五十四)年に建て替えられた。過去の台風でもたびたび被害を受け、昨年九月の台風18号でも外壁のしっくいが長さ一メートル近く剥がれた。いずれも建物東側の空き地に面した風通しの良い場所だった。

 谷川士清(一七〇九−七六年)は、交流があった本居宣長と並び称されるとも言われる国学者。父の後を継ぎ医師となったかたわら学問も究め、国内最初の五十音順の国語辞典をまとめたことなどで知られる。 

 (熊崎未奈)

 

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