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伊賀市長「先祖伝来の土地、提供に敬意」 川上ダム本体起工式

本体工事起工を祝い、くわ入れをする子どもたち=いずれも伊賀市青山羽根で

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 二〇二三年三月の完成を目指す伊賀市青山地区の川上ダムの本体工事が今月から始まるのに合わせて二日、同所などで起工式が開かれた。民主党政権下の〇九年には工事が一時凍結されるなど紆余(うよ)曲折を経て事業開始から五十年余。出席した地元関係者は近年相次ぐ集中豪雨を受け「一刻も早くダムを完成させ、水害から住民を守ってほしい」と求めた。

 川上ダム建設事業は木津川流域の洪水被害の軽減や水道用水の供給を目的に、一九六七(昭和四十二)年から現地調査が始まった。総事業費約千二百億円の大半を国費でまかない、一部を利水権のある伊賀市が負担する。

 同市の青山ホールでの式典には、衆参両院議員や県、市の関係者、周辺の住民ら約百三十人が出席。事業主体の水資源機構の金尾健司理事長が、工事本格化を前に「騒音や安全対策など周辺環境への影響を極力軽減すべく、丁寧な施工を心がける」とあいさつ。岡本栄市長は「今日の主役は先祖伝来の土地を苦渋の決断をして提供した地区のみなさん。心から敬意を表する」と感謝した。

 ダム建設にあたっては、川上地区に住む四十戸が近隣地区などへ集団移転を余儀なくされ、〇四年には離村式が開かれた。建設予定地に場所を移して開かれた式典の前には「あの道を通って毎日通学をしてたんだ」と深さ八十四メートルあるダムの底になる土地を感慨深そうに見つめる人もいた。

左岸側から見た着工前の川上ダム本体建設地

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 移転者の男性(60)は「複雑な思いはあるが、ここまで来たらしっかり完成させてほしい」。工事の安全を祈願した「くわ入れ」には移転者の子どもたちも参加した。

 川上ダムは総貯水量三千百万立方メートル。すでに近隣の道路の整備や川の流れを変える工事が完了している。

 ダム建設を巡っては、民主党政権時代の事業見直しで計画が止まっていたほか、自然環境の保全を求めた反対運動や、関西を中心とする周辺自治体との利水権協議などで時間がかかったという。

 (飯盛結衣)

 

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