トップ > 三重 > 8月23日の記事一覧 > 記事

ここから本文

三重

犯罪被害者へアンケート 支援条例制定に向け県公表

写真

 二〇一三年に朝日町で女子中学生が元少年に襲われ死亡した事件の遺族からの要望を受け「犯罪被害者等支援条例」制定を目指す県は二十二日、条例内容を決める前提として、被害者や家族に事件による苦しみや苦労を尋ねたアンケート結果を公表した。約六割が事件後に収入が減少し、半数以上が仕事を退職、休職したと回答。犯罪被害に加え、その後の生活でも大きな負担が生じている実態が分かった。

 女子中学生の父親は六月、鈴木英敬知事に手紙で「五年の月日がたつにつれ、行政・司法の犯罪被害者に対する接し方があまりにも冷たく、やるせない憤りを感じました」「被害者に対する救済が三重県では非常に遅れている」と指摘。県は年度内に条例案を策定することを決め、被害者らの声を反映させるため、県などが支援している被害者らにアンケートを実施し、被害者九人と家族十四人の計二十三人が回答した。

 経済的負担では、事件後に収入が減り生活が苦しくなった被害者らが61%、事件をきっかけに退職・休職しなければならなかった割合も57%に上った。

 日常生活では「家事、育児、介護ができなくなった」と回答した被害者が44%、「マスコミの取材で生活に支障が出た」が30%。被害者らが関わる刑事裁判、民事裁判についても、「手続きが分からず困った」という声が多く、国などが用意する被害者支援制度についても65%が「手続きで困った」と回答した。

 また、大半の被害者らが不眠や食欲減退の症状、無力感を経験。七割が「人目が気になり外出できなかった」と回答し、39%はネットでの中傷を受けたと答えた。

 こうした経験から被害者らは事件後に望む手助けとして、支援サービスについての情報提供▽専門家による精神的ケア▽支援団体や弁護士の紹介▽病院、警察への付き添い▽見舞金の給付▽加害者に関する情報提供−などを挙げた。

◆見舞金制度設置の方針 知事が表明

 犯罪被害者らへのアンケート結果を受け、鈴木英敬知事は二十二日の定例会見で、被害者支援条例に経済的困難を支援するための見舞金制度を設けることを表明した。金額や対象となる犯罪を今後検討する。

 都道府県の条例では初めての見舞金制度となるといい、鈴木知事は「経済的に苦しんでいる被害者が多いことに応える」と話した。

 条例への基本的な考え方も説明。被害者らが働き続けられるよう企業へ働き掛けることや、県内どこでも同様の支援が受けられるように市町と連携することなどを盛り込む。

 鈴木知事は、二十二日が朝日町の事件で亡くなった女子中学生の誕生日だったとして「生きていたら二十歳になられた。県の条例制定への決意を示すため、この日に考えを発表した」と述べた。

 (森耕一)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索