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食の国際認証、姿勢に溝 県と農家、グローバルGAP

グローバルGAPの認証書を披露する浅井社長(右)=津市の浅井農園で

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 東京五輪・パラリンピックの食材の採用条件になったことで関心が高まっている農産物の国際的な認証「グローバルGAP」を、県内でも取得する農家が出始めている。県産農産物の販路拡大に取り組む県も、GAP取得の支援に力を入れている。ただ、取得には費用や手間がかかるため二の足を踏む農家も多く、広がりは未知数だ。

 グローバルGAPは食の安全や環境への配慮、労働者の安全管理への取り組みを第三者が審査する。複数あるGAPの規格の中でも審査が最も厳しく、世界各国で導入されている。

 県内に本社がある事業者では四月、津市でトマトを育てる浅井農園が初めて取得した。中堅、若手社員が中心となり、取得に向けた準備を進めてきた。五月には、関連会社の「うれし野アグリ」(松阪市)も取得した。

 浅井農園の浅井雄一郎社長(37)は「東京オリパラをきっかけに日本全国に販路を広げたい」と話す。現在は東海・関西地方が主な出荷先だが、五輪をきっかけに首都圏への本格進出をにらむ。国内の人口減も見据え、海外輸出も検討しており、「グローバルGAPは品質を保証するものになる」と話す。

 県産品の販路拡大に取り組む県は昨年、GAPの取得推進を宣言した。取得に向けた助言ができる指導員の資格を持つ職員を増やし、浅井農園のような農家を増やすことを目指している。農業大学校や、農業に取り組む福祉施設にも支援を広げようとしている。

 それでも取得するまでのハードルは高い。審査のために膨大な書類が必要で、浅井農園では社員らが日々の業務をこなしながら作成した。浅井社長は「生産工程を見直すことは社員教育にもなったが、担当者は大変だった」と振り返る。

 浅井社長は、GAP認証の更新に毎年数十万円かかる費用面の負担も指摘する。「企業として取得するならともかく、個人の農家にとっては取得する意義も理解しづらい上にハードルが高い。地域で一帯となって取得するような取り組みがないと、広がらないのでは」と投げ掛けている。

 (吉川翔大)

 

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