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自治会、市に反発 津市有地売却の不適切対応

売却された市有地(元道路)を含む私有地。右側に隣接する市道は自治会が拡幅を要望していた=津市藤方で

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 津市が昨年夏に同市藤方の市有地を民間に売却した際、手続き書類の取り扱いに不適切な点があった件を巡り、地元自治会が反発している。市は書類の不適切な扱いについて議会六月定例会の本会議で謝罪したが、自治会側は、把握していない内容に勝手に書き換えられた書類を市が受理したことを問題視し「市有地部分の買い戻しを市に求めることも検討している」と不信感を強める。

 市有地は御殿場海岸近くの私有地を横切る元道路の部分で、現在は道路として使われていない。市によると、この市有地を含む私有地約千四百平方メートルを売買する際、民間の買い手側が市有地も同時に購入できるよう市に申し出た。

 市に提出する申請書には関係する地元自治会の同意書が必要で、自治会役員が売買に先立つ境界画定にも立ち会った。しかし自治会によると、同意書は申請日などが空欄のままで、自治会長が押印後、自治会側が知らないうちに買い手側の手続きを代行する土地家屋調査士によって日付が数回書き換えられ、申請者氏名なども加筆された。市は加筆内容を自治会に確認せず受理したという。

 昨秋、情報公開請求をした住民が市から情報開示を受け発覚。自治会長は「同意書を受け取りにきた調査士の説明を聞いた時、後であんなに書き込まれると思わず、その後の内容確認もなかった」と手続きの進め方に首をかしげる。この点について市側は取材に「資格を持つ調査士が捨て印を押した状態で持ってきたので、きちんとした手続きだと思った」と説明している。

 一方、市は売却後に買い手側が登記変更するのに必要な委任状について、決済日を空欄にしたままの不完全な状態で交付。窓口で買い手側から指摘を受けた市職員は口頭で日付を伝え、買い手側がその場で記入して法務局に提出し受理された。このため、市が記録用に保管していた委任状の写しは決済日が空欄のままだった。

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 開会中の市議会本会議でも、一般質問で一連の経緯がただされた。市の磯部典生建設部長は、土地家屋調査士が加筆修正し提出した同意書を、市が内容を十分確認せず受理した経緯が判明したと認め「大変不適切な公文書の扱いだった」と謝罪。ただ、加筆修正は趣旨自体を違える内容でなく、法律上は公文書としての手続きに問題はないとする。

 自治会側は市有地を使って、土地に隣接する通学路の市道を拡幅するよう市に要望していたが、売却でかなわなくなった。自治会長は「行政手続きにこんな乱暴なことがあっていいのか」と憤っている。

 (松崎晃子)

 

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