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「伝統織物に思いはせて」 御浜の「市木木綿」で御朱印帳や祝儀袋

新たに開発した祝儀袋=熊野市木本町で

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 熊野市木本町、ふとん店経営の向井浩高さん(50)が御浜町の伝統織物「市木木綿」を表紙に使った御朱印帳を作り、市内で販売している。現在は向井さんだけが生産しており「御朱印帳を片手に熊野地方を巡ってもらい、伝統織物に思いをはせてほしい」と期待する。

 向井さんは三代目。十二年ほど前、同町の職人が廃業することを知り、「伝統産業が途絶えるのはもったいない」と弟子入り。これまでに布団や小物入れなどを作った。四年前、顧客から「市木木綿の御朱印帳はないのか」といった声が寄せられ、「熊野地方には熊野三山や多くの神社仏閣があることから需要が見込める」と製作することにした。

市木木綿の御朱印帳を手にする向井さん=熊野市木本町で

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 製本する会社を探し、今年に入り、御朱印帳を手掛ける岡山市の製本会社「日宝綜合製本」に連絡を取って、引き受けてもらった。五月に完成した御朱印帳は縦十八センチ、横十二センチ。市木木綿をボール紙に貼って表紙にし、奉書紙二十四枚が連なる。御朱印集めや、スケッチ、写真アルバムなどに使える。

 向井さんは祝儀袋も作った。贈った後、ハンカチや敷物として使える。「伝統を引き継いでいければ」と話している。

 御朱印帳は一冊二千三百七十六円、御朱印帳を入れる袋は千六百七十四円。同店や、同市木本町の紀南ツアーデザインセンター、紀和町小栗須(こぐるす)のカフェ兼工房「IRU−CAFE&GITA」で取り扱っている。(問)向井ふとん店=0597(85)2432

 (木造康博)

 <市木木綿> 縦じま文様が特徴。柔らかい糸をモーターで動かす織り機で仕上げる。手織りに近く、通気性が良い。明治時代に御浜町下市木で始まり、最盛期には45軒の織元があった。太平洋戦争で一時中断して戦後に再開したが、1960年代になると大量生産の繊維に押され廃業が相次いだ。

 

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