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アライグマ急増、県が調査本腰 ペットが野生化か

県内で被害が増えているアライグマ。かわいらしい外見だが、農家の厄介者だ=伊賀市で(県農業研究所提供)

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 特定外来生物のアライグマが農作物を食い荒らす被害が、県内で急増している。捨てられたペットが野生化して繁殖したとみられるが、詳しい生息状況は分かっていない。県は本年度、実態調査と捕獲技術の実証実験を行い、対策を急ぐ。

 津市香良洲町でブドウとナシを育てる山下一之さん(65)の畑では、三年ほど前からアライグマの被害が目立つようになった。棚を上って袋に覆われたブドウを引っ張り上げ、実を食べてしまうという。

 おりを設置して捕獲にも取り組んでいるが、最近は捕まらなくなってきた。「あの手この手で対策しているが、用心深くなっている。網を張っても、穴を掘って入られたこともあった」と嘆く。

 アライグマは北米原産で、雑食性。木の実や魚だけでなく、果樹や野菜といった農作物も好み、平地から山間地まで幅広い場所で生息することができる。

 日本では一九七〇年代のアニメ「あらいぐまラスカル」をきっかけに、ペットとして人気になった。だが、かわいらしい外見からは想像できないほど気性が荒く、捨てる飼い主が相次ぎ、野生化。繁殖力も高く、全国各地で生息が確認されている。

 県獣害対策課によると、県内では伊賀、紀南地域での被害が目立っていたが、近年は津市など中勢地域でも被害が増加。被害があった集落数は二〇一二年に百八十六集落だったが、一六年は二・四倍の四百五十一集落に増えた。被害額は約四百万円に上る。

 ただ、詳細な生息状況はまだ分かっておらず、同課の担当者は「数は増えているが、実際に何匹いるかは分からない」と話す。被害を未然に防ぐため、本年度から生息域の調査に本格的に乗り出す。

 被害が出ている地域を対象にした実証実験も、県農業研究所と行う。アライグマの行動範囲や習性に基づいた捕獲方法を検証し、大量捕獲につなげる狙いだ。同課の担当者は「外来種なので、生息数ゼロを目指す。他県の取り組みも見ながら、効果的な方法を考えたい」と話した。

 (吉川翔大)

 

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