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進む老朽化、撤去急務 伊勢で石灯籠落下、男性死亡

落下した石灯籠の上部(手前左)。伊勢市内の沿道には多くの石灯籠が並ぶ=伊勢市楠部町で

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 伊勢市で十四日に発生した石灯籠の落下による死亡事故は、以前から安全性が心配されていた古い石灯籠が原因になった。二〇一五年度から徐々に撤去を進めていた県は「県道の管理者として申し訳なく思う。撤去のスピードを早めることも考えなければならない」と話している。

 犠牲になった伊勢市神田久志本町、無職西沢政信さん(81)の遺族によると、西沢さんは日課にしていたウオーキングの途中に事故に遭った。石灯籠を興味深そうに見ている観光客の男性に西沢さんが話し掛け、由来などを説明していたところ、路線バスが接触した石灯籠の上部が落ちてきて頭を直撃したという。

 長男の西沢宏文さん(53)は「父は人に親切にするのが好きだった。その親切でこんなことになるなんて」と悔しそうに話した。路線バスが石灯籠に接触した三重交通(津市)伊勢営業所の担当者は「亡くなった方と遺族に心からおわび申し上げます」と語った。

 事故で上部が折れて落下した石灯籠は一九五八(昭和三十三)年五月に建てられたもので、老朽化していたとみられる。県伊勢建設事務所によると、一九五〇〜六〇年代に地元経済人らで組織した「伊勢三宮奉賛献灯会」が呼び掛け、全国の企業などによって伊勢神宮の周辺に盛んに建てられた石灯籠の一つだ。現在も同様の石灯籠が市内に四百三十六基も残っているが、献灯会は既に解散しており、管理する人がいない状況になっている。

 道路の管理者に当たる県や国、市は、発生が予想されている南海トラフ地震で倒れる危険性があるとして、二〇一五年度から徐々に撤去していた。年三十基ほどのペースで緊急性の高いものから撤去していたが、同建設事務所の前田剛管理課長は「石灯籠が伊勢独自の景観を保っているという意見もあるが、今回の事故で危険性を再認識した。対策を考えたい」と話している。

 事故は十四日午前九時五十五分ごろ、伊勢市楠部町の県道で発生。路線バスのサイドミラーが道路脇の石灯籠に接触し、重さ百キロ以上ある灯籠の上部が落下。頭を直撃した西沢さんが亡くなった。

 (大島康介)

 

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