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忍者研究、国際化の術 17日、伊賀で学会設立

忍術書を熱心に読み解き、研究を進めるフョードルさん=伊賀市の国際忍者研究センターで

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 伊賀流忍者発祥の地・伊賀市で17日、三重大(津市)などの関係者が「国際忍者学会」を設立する。実像は謎が多く、映画や文学などの分野では取り上げられることの多い忍者。国内外の研究者らの交流の機会を設けることで、学術研究の幅を広げ、深化させる。

 学会は、研究者だけでなく、忍者や忍術に関心のある学生、市民ら幅広い参加を見込む。年一回の学会誌の発行や定期的な研究会の開催、専門分野の分科会の設置などを検討。国際的、学際的な研究を進める。

 設立の中心メンバーとなる忍者研究の第一人者、三重大人文学部の山田雄司教授は「国内外の研究者から、情報交換の場が欲しいとの声が高まっていた。歴史、文学のほか栄養学や武道の側面など、忍者研究の裾野を広げたい」と語る。

 十七日に伊賀市内で開かれる設立総会では、「忍者文学の現在」と題してソウル大研究院の金時徳教授が記念講演。「書から読み解く乱世を生きる術」をテーマにした山梨学院大のウィリアム・リード教授の発表などが、予定される。

 シンポジウム「忍者の魅力−歴史・文学そして世界へ−」にパネリストとして参加するクバーソフ・フョードルさん(31)はロシア人。昨年十月から三重大の国際忍者研究センター(伊賀市)で研究員を務める。

 子供の頃、忍者を題材にしたアニメに夢中になった。ハリウッド映画を通じて忍者への関心が高まり、ロシアのサンクトペテルブルク国立大で本格的に日本文化や歴史を学び始めた。

 だが、当時は忍者について専門的に書かれた論文は多くなく、二〇〇七年に三重大に留学した時も研究は盛んではなかったという。エンターテインメントの対象として広く知られる忍者を、学会設立によりアカデミックな観点で掘り下げる取り組みを広げたい考えだ。

 「海外でも、本当の忍者の姿を知りたいと思っている人は多い。学会の研究論文が、信頼できる資料として発信されることに一役買いたい」と意気込む。

◆三重大が専門科目 市民講座で成果発表

 県では二〇一二年に三重大が「忍者研究プロジェクト」を発足させるなど、学術的な研究に力を入れる取り組みが活発化している。

 三重大では文理の枠を超えた研究が進み専門の教授や授業が増加。同大大学院人文社会科学研究科地域文化論専攻に専門科目「忍者・忍術学」が追加されて今月、入試で三人が受験して合格した。

 同大人文学部が伊賀市、上野商工会議所とタッグを組んだ「伊賀連携フィールド」は、一二年度から「忍者・忍術学講座」を開講。同大の教授らが市民に研究の成果を伝えている。

 三重大は一三年からは、海外の大学などでも講座を開催。一七年七月には、大学の地域拠点「伊賀サテライト」内に国際忍者研究センターを設置し、二人の研究員が常駐している。

 (飯盛結衣)

 

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