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台風21号、農業被害が激甚災害指定 県内613件、22億円

ビニールハウス内のヒーターは浸水し使えるか不明。北川さんが指し示す高さまで泥の跡がある=松阪市中ノ庄町で

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 内閣府は十日、台風21号の農業被害を激甚災害に指定すると発表した。農地や農道などの復旧費用への国補助率が高まり、県内六百十三件、約二十二億円の被害が対象となる。

 十月二十一〜二十二日の豪雨では、県内の農林水産業関連で約五十億円の被害が発生。激甚災害指定は、のり面が崩れるなどの農地被害、農道やため池、水路など農業施設と林道の被害が対象になる。県の過去五年集計で国補助割合は激甚災害でないと82%だが、指定で95%に上昇する。

 被害額二十二億円の内訳は、農地百二十三件、約三億七千万円、農業施設百八十七件、約十四億三千万円、林道三百三件、四億一千万円。二十二市町に及び最多は山間部で被害が大きかった津市の五億六千六百万円。伊賀市が三億七千万円で、多気町、松阪市、名張市が続く。ただ、住宅被害が大きかった伊勢市や玉城町の農業被害額はまだほとんど計上されておらず、県農林水産総務課は「住宅などの被害把握を優先しているのでは。被害額は増える」とみる。

 内閣府などに激甚災害指定を働き掛けた鈴木英敬知事は会見で「市町や農家の負担を軽減できる」と感謝。一方で県は道路、河川などの被害も激甚災害指定を求めたが、基準に達しないと判断された。

 今後農林水産省などが被害状況を確かめ補助額を決める予定。内閣府担当者は「過去実績で推定すると、補助対象の被害額は九億五千万円程度にしぼられる」と見通した。

◆作物は補償されず 農家苦悩

 県内は大豆やハクサイ、かんきつ類やカキなど作物に大きな被害が出た。激甚災害指定で国の補助対象となるのは農道、水路など共用施設が中心。作物被害は補償されない。

 松阪市中ノ庄町の北川雅樹さん(63)のイチゴ畑は、近くの川があふれビニールハウス天井近くまで浸水。低地のため排水機場はあるが、機械にごみが詰まり機能しなかった。咲きだしたイチゴの花が腐り「値段が高い十二月初旬の出荷は間に合わない」と嘆く。

 水圧でハウスの骨組みが曲がり受粉用のミツバチは全滅。冬場にハウスを温めるヒーターも浸水し使えるか不明だ。北川さんは「被害は数百万円。行政支援は受けられないだろう」と肩を落とす。県担当者は「穀物は共済で補償される場合があるが、一般に野菜の補償はない」と話す。

 (森耕一)

 

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