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不正なぜ起きたのか 度会町談合、係長逮捕1週間

 度会町発注の上水道整備事業を巡り、官製談合防止法違反容疑で町職員と業者の計三人が逮捕されてから三日で一週間を迎えた。公平な業者を選ぶための競争入札で、不正はなぜ起きたのか。事件の背景を追った。

■信頼の職員が

 「覚悟を持ってやってくれよ」。官製談合防止法違反容疑で逮捕された町税務課係長の山口幸宏容疑者(43)は二〇一一年四月、中村順一町長から、町内の五つの簡易水道を統合する事業の担当係長を任せられた。

 上司の休職などが重なり、山口容疑者は五年間にわたって事業を取り仕切った。町内の上水道の設備や会計制度を一新する、総額二十七億円の大型事業は今年三月末、完了したばかりだった。

 「水道に一番詳しくてまじめな人だった」「誰にでもできる仕事ではなかったのに」。職員約百人の小さな町役場は、信頼できる係長の逮捕に揺れた。

■不正なにゆえ

 「事業を円滑に進めたかった」。県警の調べに、山口容疑者は設計金額を漏らした理由をこう語っている。背景には個人的な事情より、事業を取り巻く環境があったようだ。

 官製談合の疑いがあるのは、水源から水をくみ上げるポンプを動かす電気設備の設置工事。町水道課の担当者は「稼働後のメンテナンスも必要で、受注できる業者は限られている」と説明する。イレクト伊勢は近隣で受注能力のある数少ない業者だった。

 電気設備は事業の「仕上げ」とも言える工事。入札不調やトラブルがあれば事業全体に影響が出かねない。イレクト伊勢は不正があったとされる二〇一四年七月以前にも三回、同様の工事を施工していた。山口容疑者は調べに「実績のある会社の頼みを断り切れなかった」と話している。

■構造的問題も

 度会町は地元業者を優先するため、全ての公共工事を町が業者を指定する指名競争入札方式で行ってきた。

 業者は副町長らが最終決定するが、原案は山口容疑者ら担当課が作成していた。新規業者が参加しにくい閉鎖的な入札で、山口容疑者も特定の業者と関係を深めていった可能性がある。

 一方で、中村町長は「指名競争入札だから事件が起きたとは思わない」と話す。「指導者として、(山口容疑者に)業者とは一線を画してと言えばよかった」と話した。

 (熊崎未奈)

 <度会町官製談合事件> 度会町が発注した上水道の電気設備工事の設計金額を漏らしたとして、県警捜査2課と伊勢署は9月26日、官製談合防止法違反の疑いで、同町税務課住民税係長の山口幸宏容疑者(43)と、伊勢市の電気工事会社「イレクト伊勢」会長の阿形治信容疑者(74)、専務の吉川文和容疑者(49)を逮捕した。

 逮捕容疑は、山口容疑者は上水道整備事業を担当し、入札情報を管理していた2014年7月下旬、同事業の電気設備工事の指名競争入札で、非公開の設計金額(約6400万円)を吉川容疑者に教えたとされる。阿形容疑者と吉川容疑者は設計金額を参考に、最低価格の5550万円で落札したとされる。

 

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