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作家の息吹、街中に着々 亀山トリエンナーレ、24日開幕

針金を使ったアートの制作に励む箕浦さん=亀山市西町で

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 亀山市内で三年に一度開かれる新人作家の登竜門となる現代美術の祭典「亀山トリエンナーレ」の準備が、着々と進んでいる。二十四日の開催が近づくごとに連日、全国各地からアーティストが訪れ、作品を展示する空き家などの会場で自身の制作に励む姿も目立ってきた。開幕ムードが街中で盛り上がってきた。

 亀山トリエンナーレは二十四日〜十月十五日に開催され、空き店舗や商店街、市指定文化財などにアート作品を展示する。今年は国内外から百組以上のアーティストが参加する。

 岐阜県大垣市の情報科学芸術大学院大学(IAMAS)に通う名古屋市出身の箕浦慧さん(31)は「インスタレーション」と呼ばれる空間芸術を手掛ける。

 かしこまった文化財ではなく、旧東海道沿いで薬局として営まれた西町の空き店舗を展示場所に選んだのは、当時の息遣いが聞こえてきそうな空間にほれ込んだから。木造の天井の梁(はり)に針金を掛け、交差させながら樹木の形を作り、約四百ある針金の結節点に発光ダイオード(LED)を取り付けていく。

 箕浦さんは地元に根付いたものを作りたいと、亀山で交わされるたわいない日常会話を録音し、声の強弱を光を点滅させて表現する予定だ。「都会では、隣に住んでいる人を知らなかったり、年齢層が違うと会話が発生しなかったりする。ここではさまざまな年代による会話の小宇宙を作りたい」と意気込む。

 「人と話したり、支えられたりすることで生まれるのがアート。トリエンナーレの実行委は手作り感があって、地元のパワーをもらいながら一緒に作っていると感じています」と箕浦さん。開催日に間に合うよう、残り約二百個のLEDを取り付けるため、制作のペースを上げている。

会場となる空き家の持ち主の阿部さん(左)に、当時の様子を聞く内藤さん=亀山市東町で

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 名古屋造形大院生で、川越町在住の内藤久嗣さん(23)は、ものづくりをしているという共通点から、自分と亀山がつながれる場所として、かつて家具屋だった東町の空き家を会場に選んだ。

 持ち主の阿部恭子さん(77)に直接会って、家具屋を営んでいたころの様子、阿部家の歴史も取材。消臭ビーズを床に敷き詰める空間芸術を考えている。

 「空間の声みたいなものをビーズが吸い上げ、気化したものが空間の持つストーリーを語ってくれる」と話すように、これまでもビーズを使った作品を手掛けてきた。「一つ一つの空間が持つ色の違いを感じて作品を起こしたい」と意気込んでいる。

 (鈴木里奈)

 

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