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スナメリ人工保育、期待大 鳥羽水族館で初の研修会

抱きかかえたスナメリに人工授乳する様子を見学する水族館関係者ら=鳥羽市鳥羽で

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 小型イルカのスナメリの人工保育に国内で初めて成功し、現在も一頭を育てている鳥羽水族館(鳥羽市)で五日、全国の水族館などを対象とした研修会があった。十八施設から海生哺乳類の担当者ら二十六人が集まり、ノウハウを学んだ。

 鳥羽水族館は二〇一三年、育児放棄されたスナメリを飼育員が育て上げた。今年五月下旬に生まれたスナメリの雌も、母マリンの授乳回数が減ってきたため、予備プールに隔離し飼育員らが二十四時間態勢で人工授乳を続けている。当初は体長八五センチ、体重八キロだったが、現在はアジのすり身を混ぜたミルクや丸ごとの小アジを一日に九回与え、一〇三センチ、一七キロに成長した。

 研修会では、注射器につないだカテーテルをスナメリの胃に入れ、ミルクを飲ませる作業を公開。飼育研究部の若林郁夫課長(52)が人工保育の経緯や手法、ミルクの材料などを紹介し「毎晩泊まって作業せねばならず、覚悟が必要」と話した。スナメリは母親に背中をこすりつける習性があり、この雌は壁にこすって皮膚を傷つけたため、ロープを壁際に垂らす保護措置をとったことも説明した。

 イルカは水産資源保護法で捕獲が禁じられ、日本動物園水族館協会も追い込み漁のイルカ購入を禁止。国内最高齢となる推定三十六歳のスナメリを飼育する南知多ビーチランド(愛知県美浜町)でも、入手のめどが立っていない。同館の桜井夏子主任(39)は「親からはぐれた子どもが捕獲されることもあり、保護の観点からも人工保育の知見を反映できれば」と期待を寄せた。

 研修会は、鳥羽水族館が同協会を通じて参加を募ったほか、協会非加盟の施設にも呼び掛け、イルカ購入を巡り退会した「しものせき水族館海響館」(山口県)の担当者も姿を見せた。鳥羽水族館の若井嘉人副館長(57)は「野生イルカの入手が難しい中、育児放棄の子どもをどう生かしていくかは大きな課題。鳥羽の知見を生かしていただければ」と述べた。

 (西山和宏)

 

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