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踏み間違い事故後絶たず 車の構造、改善を

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 アクセルとブレーキの踏み間違いが原因の人身事故が県内でも後を絶たない。啓発活動の効果か件数自体は減っているが、六十五歳以上の高齢者の割合は依然高い水準だ。交通事故を研究する専門家は「パニック時の反射行動でつい慣れているアクセルを踏んでしまう」と分析する。

 県警交通企画課によると、二〇〇七年からの十年間で踏み間違いの人身事故の累計は九百八十一件。ピーク時の〇八年は百三十二件だったが、一六年は五十九件に減った。

 しかし、六十五歳以上の高齢ドライバーによる人身事故は、〇八年は35・6%で、一六年も33・9%。全体の三割以上を占める高い割合のまま推移しており、以前は年間〇〜一件だった死亡事故は一五、一六年とも二件ずつ発生した。

 九州産業大の松永勝也教授=認知科学=は「人間は危機を感じると踏ん張る習性がある。ブレーキだと思い込み、反射的にアクセルを踏み込んでしまうため、車の構造を改善していくことも不可欠だ」と指摘する。

三好製作所が開発した「パニックレス・アクセルペダル」(右)=名張市蔵持町原出で

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◆急発進防ぐアクセル 名張の金属加工会社開発

 三月下旬、奈良県山添村のダム湖のほとり。すぐ崖下の水面まで約七十メートルある、足がすくむような駐車場の一角に一台のワゴン車が止まっていた。「ガチャン」−。車内で力強くアクセルを踏み込むと、ペダルのつなぎ目が外れる音が響き、車は加速せず惰性でゆっくりと進む。

 名張市蔵持町原出の金属加工業「三好製作所」経営の三好秀次さん(64)。四年前に自身が開発した、車の急発進を防ぐ装置の性能を確かめるため、ダム湖めがけて、車内でアクセルを思い切り踏み込む実験に挑んでいた。わざわざ危険な場所を選んだのは、撮影した動画を公開し信頼性をPRするためだ。

 装置は、ある一定の力でアクセルを踏み込むと、動力をエンジンに伝える連結棒が外れて、車がアイドリング状態になる仕組み。アクセルを踏まなくても車が緩やかに進み出すクリープ現象になるため、重大事故につながるのを防げるという。

 装置を考案したきっかけは、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因の事故が、全国で後を絶たない現状をニュースで知ったことだった。「お年寄りが安心して長く運転できる社会づくりに役立ちたい」。金属製作の技術と経験を生かしたいと考え、二〇一二年十一月に「パニックレス・アクセルペダル」の商品名で特許を取得した。

 大手自動車メーカーに装置を売り込んでいるが、まだ実用化には至っていない。三好さんは「事故防止の技術として広めたい」と協力してくれるメーカーを募っている。(問)三好さん=090(3265)3928。

 (大島宏一郎)

 

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