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ハローペット

櫂未知子さんとラム 自由にしゃれて 俳句と猫に共通

櫂未知子さんと愛猫のラム。撮影に興奮気味で、「ニャーッ!」=東京都内で

写真

★猫(メス 11歳)

 テレビ番組「NHK俳句」に出演している俳人櫂未知子さん。町中の猫を愛(め)で、俳句を楽しむ同番組増刊号「ねこぶら」でも、自由で楽しい俳句づくりを教えている。

 そんな櫂さんの愛猫は、三毛猫の「ラム」。大きな目にすらりとした体形だが、ちょっと人見知り。取材におじゃますると、居間の隅に逃げ込んで「ニャーッ!」と抗議の声を上げる。

 「おしゃべり猫で、超わがままで、いつも人の仕事のじゃまばかりしています」

 ラムを迎えたのは十一年前。長野県の友人から「三姉妹の子猫が保護されたので飼いませんか?」と連絡を受けた。

 そのころ櫂さんは、前の猫を亡くしたばかり。「とても優しい性格のオスでしたが、十三歳で死に、寂しくて、近所のノラ猫をストーカーのように追い回していたんです」

 タイミングのいい申し出に、「最後に残った一匹をもらいます」と答えた。

 「三匹の中から選ぶなんてできないし。それにうちのマンションは、ペット一匹というルールなんです」 

 間もなく「残った一匹」がやって来た。のどをゴロゴロ鳴らす音が雷のように大きいので、漫画「うる星やつら」のキャラクターから「ラム」と命名。寝る間も惜しんで遊ぶラムに、櫂さんの一句。

  すぐ育つ子猫よ二度となき日々よ

 「暴れん坊で大変でした。家が高層階なので、外へ飛び出さないよう、目の届かない時はケージに入れましたが、柵の間から忍者のようにすり抜けてしまうんです」

 だが、ラムは危ないことは全くせず、室内でのびのび育った。夫も“筋金入りの猫好き”なので、ラムは甘え放題。夫妻が机に向かえば、決まって隣に座る。

 「昔の文人は猫を、“なで物”と呼んでいました。ラムをなでていると、創作意欲がわいてくる気がします。猫は自由で、しゃれている。それが俳句の求めるところと似ているんですね」

 ただし、空気が乾く時季に手を伸ばすと、ピリッ!

  はつふゆの猫にうつすら静電気

 ラムは変わったところが多い猫だという。およそ足元を気にしない、缶詰のフードを好まない、腕枕をして寝ない…。

 「夫と話すんですよ。ラムはもしかしたら、間違った猫情報をインプットされて、Mなんとか星雲から来たのかもしれないねって」

 梅雨空を眺め、気ままな愛猫が拾われた場所に思いをめぐらす。

  雨催(あまもよい)避暑地の猫は振り向かず

 (文・宮晶子、写真・五十嵐文人)

<かい・みちこ> 1960年、北海道生まれ。俳句同人誌「群青」共同代表、俳人協会理事などを務める。著書に『櫂未知子集』『食の一句』『季語、いただきます』など。 

 

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