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わらべうたで穏やか子育て 触れ合い安心感、心身発達促す

わらべうたの講座で、「ねんねんねやま」を教わる母親たち=名古屋市天白区の地域子育て支援拠点きゃらで

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 外出中にじっとしていられず、寝る時間になっても寝ようとしない−。乳幼児の親にとって、わが子が活発になるのはうれしいことだが、一方で手を焼くことも増えてくる。そんな時に試してほしいのが、遊びながら歌うわらべうた。子どもの気持ちを落ち着かせる効果があるほか、心や体の発達を促す働きもあるという。

 名古屋市内の子育て支援施設で開かれたわらべうたの講座。親子二十組が輪になって座り、名古屋短期大保育科准教授で保育カウンセラーの山下直樹さん(47)から遊ぶ方法を教わった。

 一曲目は「うまはとしとし」。膝の上に子どもを座らせて母親が脚を上下に揺らすと、子どもたちは馬に乗っているような動きを味わえ、きゃっきゃとはしゃぐ。「ちょっと揺らされるだけで、動きたい気持ちが満たされる」と山下さん。子どもが活発すぎるくらいに動くのは、平衡感覚の刺激が足りないため。揺れる、転がる、回るといった動きで満たされると、落ち着いてくるという。

 緊張しやすい子には「めんめんすーすー」を歌い、顔をなでてスキンシップを取るといい。抱っこして「めんめん/すーすー/けむしし/きくらげ/ちゅ」と歌いながら目尻、鼻筋、眉毛、耳、唇の順にそっとなでる。触覚が刺激され、安心や信頼が育まれる。なかなか寝付いてくれないときは、同様になでながら「ねんねんねやま」を歌うのがお勧め。

 山下さんが優しい歌声で十曲ほど紹介するうちに、すやすやと眠ってしまう子も。一歳児の母親(32)は「夜にテンションが上がって寝ないので困っていた。寝かし付けの時に取り入れてみたい」と話した。

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 わらべうたは、てまりうたなどのように子どもの遊びの中で自然に生まれ、口伝えで受け継がれてきた。手遊びや大勢で遊ぶ歌が、保育園や児童館などで取り入れられている。「単に楽しいだけでなく、心と体の発達を促す要素がたくさんある。もっと復活させたい」と山下さんは話す。

 例えば、二人で手をつないで歌う「なべなべ そこぬけ」。くるりと回って背中合わせになるため、見えない自分の背中を意識できる。体の部位の位置関係や動き方に気付くことで、運動感覚が育つという。

 山下さんがわらべうたに着目するようになったのは、大学卒業後に渡欧し、スイスにある障害児の治療教育施設で働いたのがきっかけ。起床時など生活のさまざまな場面でわらべうたが取り入れられており、子どもと触れ合い、信頼関係をつくるのに役だった。

 平衡感覚や触覚、運動感覚は発達の土台になるが、山下さんは「今はそうした感覚が育ちにくい時代」と言う。体を動かして遊ぶ機会が少なく、生活リズムも乱れがちだ。特に幼児期は睡眠や食事の時間を一定にするとともに「手足を使って思い切り遊ぶことが大切。大人が意識する必要がある」と話す。

 山下さんは、育児雑誌の月刊「クーヨン」(クレヨンハウス)でわらべうたの活用を紹介する連載を続けている。連載をまとめ、五十一曲を紹介する著書「『気になる子』のわらべうた」(同)もある。

 (小中寿美)

 

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