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バリアフリー化で転倒防止 介護保険生かし工事を

設置した手すりを使って階段を上る男性=千葉県船橋市で

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 高齢者が寝たきりになるきっかけの一つが、自宅での転倒や転落。手すり設置や段差解消など改修費の一部は、介護保険サービスから支援を受けられる。住宅のバリアフリー化は介護予防にもつながる。制度の特徴や、利用する際のポイントを紹介する。

 妻と二人暮らしで、徐脈などの持病がある千葉県船橋市の藤田守さん(76)=仮名=は昨年十月、心臓ペースメーカーの取り付け手術をした。健康に不安を抱いた藤田さんはネットで介護保険制度を調べ、住宅改修費の支援制度があることを知った。

 自宅は築二十五年の一戸建て。介護生活になっても自宅で暮らせるように改修しようと、比較サイトなどを活用しながらリフォーム業者を自ら選んだ。要介護認定の申請をしたところ、要支援1の判定だった。手続きにのっとり工事前に市に申請書類を提出。許可が下りた今年二月、一階と二階のトイレ、階段に手すりを取り付けた。費用は計七万二千円だった。藤田さんは「歩きやすくなった。やってよかった」と話す。

 介護保険制度を利用する場合、二十万円までの住宅改修であれば、自己負担をのぞいた額が支給される。自己負担は所得に応じて一〜三割。藤田さんの自己負担は二割で一万四千四百円。工事費は工事後にいったん全額支払い、今年三月に市から八割分の五万七千六百円が振り込まれた。自治体によって一定条件のもと、利用者が自己負担分のみ業者に支払い、残りを自治体が負担する方法を選ぶこともできる。

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 藤田さんは続いて浴室も改修。段差の解消やユニットバスの入れ替えなどで約百三十万円かかった。この制度は、住宅改修費が二十万円に達するまで何度でも申請できるため、前回使い切れなかった十二万八千円について給付金を市に申請した。

 施工したリフォーム会社「フレッシュハウス」(横浜市)によると、高齢化で介護リフォームの需要は増えているという。担当者は「担当のケアマネジャーに相談して申請するのが一般的」とする。支援制度は基本、一人当たり生涯に二十万円までしか使えない。しかし病気の悪化で改修時より介護度が原則、三段階以上重くなった場合や、認定を受けた市区町村の外に引っ越した場合、住宅改修費二十万円の枠を再利用できる場合もある。

 この制度が使える改修工事は、手すりの取り付け、段差の解消など対象が限られている=表。住宅のバリアフリー化に詳しい一級建築士の尾間紫(おまゆかり)さんによると、車いすが曲がり切れない狭い廊下は困ることが多いのに、改修は介護保険が利用できない。「廊下の拡幅は大掛かりな工事になる。一階に和室がある家なら、畳を水に強いフローリングに替える工事で介護のための部屋にし、庭などから直接出入りできるようにするのも一案。廊下の拡幅より工事費を抑えられる」

 業者については「二、三社に声を掛け、どんな改修が必要か提案に沿った見積もりをもらい、応対をよく見て選びましょう」とアドバイス。工事実績が豊富で、民間資格の「福祉住環境コーディネーター」が在籍しているとさらに安心という。

 ほかに、所得など条件によってはバリアフリー改修費の一部が税額控除できるケースや、自治体によっては独自の住宅改修支援事業を利用できる場合もある。一度確認しておきたい。

 (砂本紅年)

 

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