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腹式呼吸で息切れ軽減 喫煙者に多い肺の疾患COPD

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 肺の炎症などで、ちょっとした動きでも息切れしてしまう慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)。推定患者数は約500万人で、特に長年、喫煙してきた高齢者に多い。早期発見と治療が欠かせないのはもちろんだが、それとともに日常生活で呼吸の仕方を意識すると、息切れを減らすことができる。専門家に方法を聞いた。

 この病気になると、肺胞が壊れたり、気管支が炎症で狭くなったりして、空気をうまく吸ったり吐いたりできなくなる。そのため、寝ている状態から上半身を起こすなど、ちょっとした動きでも息切れするようになる。

 しかし、「息切れするからといって、体を動かさないと悪循環に陥る」と、東京都清瀬市の複十字病院呼吸ケアリハビリセンター付部長で、理学療法士の千住(せんじゅう)秀明さん(69)は話す。息切れしないようにと動かなくなると筋力が落ちてしまう。エネルギーを消費しないので食欲も減退してタンパク質が不足し、一層筋力が低下する。すると、同じ動きでも必要とする酸素量が増えるため、息切れしやすくなる。

 「まずは、呼吸法が重要です」と千住さんは言う。基本は腹式呼吸。息を吸うときに腹を膨らませ、吐くときにへこませる。鼻から吸って口から吐く。深呼吸のように深く吸うのではなく、通常のリズムで呼吸する。練習するときは、あおむけ状態で、腹に手をあててゆっくりと息を吐く。

 吐く時は軽く口をすぼめよう。「お」と発声するときのように大きく口を開けがちだが、「ふ」と軽く開ける程度でいい。

 体を起こしたり、歩き始めたりするときは力が入り、つい息を止めがち。しかし、息を止めると呼吸が乱れ、息切れしやすい。そこで、息を吐きながら動き始めるといい。

 例えば、歩きだす前に息を吸い、吐きながら足を前に出す。排便の時も同じ。便座に座り、呼吸を整えた上で、息を吐きながら力を入れる。

 食事を取るときもエネルギーを使うので、息苦しくなることもある。前かがみの姿勢だと胸が圧迫される。背筋を伸ばして、一度にたくさん口に入れず少しずつゆっくり食べる。行儀は悪いが、ひじをテーブルなどについて食べると、エネルギー消費を抑えられる。

 呼吸法を見直した上で、家事や散歩などでなるべく体を動かし、筋力維持を図りたい。千住さんは「患者さんは肺機能が回復しないと言われて落ち込みがちになるが、手や足、頭がしっかりしているなら、ゆっくりでもしっかり動かしていくと質を落とさずに生活を送ることができます」と話す。

 (寺本康弘)

 <慢性閉塞性肺疾患(COPD)> せきやたん、息切れが主な症状。呼吸困難にも陥る。たばこの煙や大気汚染など有害物質の吸入が原因とされる。発症すると肺機能は元に戻らないが、早期発見で治療を続けると、症状を和らげたり、進行を抑えたりできる。

 

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