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人を介した感染が大半 冬に多発、ノロウイルス食中毒 

清水彩子・金城学院大講師

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 食中毒というと湿度や気温が高い夏のものと思いがちだが、実際は冬の方が患者数が多い。冬の食中毒は大半がノロウイルスが原因で、食品からだけでなく、人から人へ感染することがあるため、注意が必要だ。対処法を食品衛生の専門家に聞いた。

 「年間の食中毒の患者数の半数以上がノロウイルスによるもの。多くは冬場に発生し、三月もまだ多いので注意が必要です」。金城学院大生活環境学部(名古屋市)の講師、清水彩子さん(42)=生活科学=は話す。

 夏と冬では、食中毒の原因が異なる。夏の食中毒はニワトリなどの食肉に付着しているカンピロバクターや、卵や食肉に付くサルモネラ菌など、細菌が原因のことが多い。一方、冬はノロウイルスによる食中毒がほとんどだ=グラフ。

 ノロウイルスは、生ガキから感染するイメージが強いが、全体の八割は、感染した人が調理をして汚染された食品を食べることで起こる。二〇一七年二月、東京都立川市の七つの小学校で、千人以上の児童が集団感染したケースでは、給食の刻みのりが原因だった。「感染を防ぐには、他の食中毒と同じく、調理や食事前にきちんと手を洗い、食材を加熱したり、調理器具を殺菌したりして、ウイルスをやっつけることです」と清水さん。

 人の小腸で増えるノロウイルスは、特に排便した後の手洗いが重要だ。調理師など大勢に対して食事を作る人は、下痢などの兆候がある時は調理はしない。二枚貝などノロウイルスに汚染された食品の場合、中心部を八五〜九五度で九十秒以上加熱する。調理器具は、調理の前に熱湯を掛け、食器を洗うスポンジなども、熱湯や塩素系の漂白剤につけるなど殺菌するよう心掛ける。

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 人から人への感染があることにも気を付けたい。便や飛沫(ひまつ)などで感染するため「保育園などでノロウイルスによる胃腸炎が流行している場合は、手洗いを欠かさずさせるなど、注意してください」という。

 感染してしまった場合、嘔吐(おうと)物や便には大量にウイルスが含まれているため、子どものおむつなどはすぐに閉じるなど、取り扱いに注意する。嘔吐物などが床に飛び散った場合は、使い捨てのエプロンやマスクと手袋を着け、汚物中のウイルスが飛び散らないように、ペーパータオルなどで拭き取ってから、漂白剤で床を拭いて殺菌する。

 清水さんは「三月以降、暖かくなってくると、今度は細菌による食中毒も増えてくる。買ってきた生鮮品はすぐに冷蔵庫に入れ、まな板は肉用と野菜用を分けるなど、衛生に気を配って」と呼び掛けている。

 (稲田雅文)

 <ノロウイルス> 感染力が強く、感染後24〜48時間で腹痛や嘔吐、下痢、微熱などの症状が出る。1、2日で治るが、子どもやお年寄りは重症化する場合もある。人の小腸でのみ増殖し、増えたウイルスは便として排せつされると、下水を経て河川に流れ、海に至る。カキなどの二枚貝が、プランクトンに含まれるウイルスを摂取。汚染された貝を加熱せずに食べると、人に感染し再び増殖する。ワクチンはなく、感染した場合は対症療法しかできない。

 

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