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箸の持ち方、輪ゴム使い練習 心の成長も促す

山口ちとせさん

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 子どもが小さいうちに身に付けさせたいことはいろいろあるが、代表的なことの一つが正しい箸の持ち方。記者も練習用の箸を愛用している長女(3つ)に「そろそろ普通のはしを」と持たせてみたが、すぐにはうまく使えない。どう教えればいいのか、正しい持ち方を教えている市民団体「はし和文化研究会」(福井県越前市)の副会長山口ちとせさん(65)を訪ねた。

 長女が使っている練習用の箸は、親指と中指、薬指が正しい位置に固定できるようリングが付いたタイプ。上部で二本の箸がつながっているため、先端がずれない。二歳のときに渡してみると、すぐに上手に使い、「天才かも!」と親を喜ばせた。きっと普通の箸もすぐに使いこなすと期待したのだが、それらしく持つことはできても、動かすとなるとなかなか難しいようだ。

 山口さんは「このタイプの箸は、普通の箸と力の入れ方が違うためか、持ち替えてもすぐには使えない子もいます」と話す。では、どう練習していったらよいだろうか。始める時期は「小学校に入学するころにはきちんと使えるよう、三、四歳くらいから」がよいそうだ。輪ゴムを使い、箸と手を固定して練習する方法を教えてくれた。

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 小さめの輪ゴム四つを用意し、一本につき二カ所をイラスト(上)のように指と固定する。下の箸はまず親指と留める。もう一つは薬指、小指と結び付ける。上の箸は、人さし指の付け根に一つ、中指の先の第一関節あたりにもう一つだ。

 持ち方がしっかりしたら、次は動かし方。下は動かさず、上だけを動かすのが基本。「親しみやすいよう、“お兄さん(中指)がお母さん(人さし指)と一生懸命働き、それをどっしり支え、動かないのがお父さん(親指)”と説明しています」と山口さんは話す。

 それぞれ、指のどの位置で支えるのかが定まらない場合は、箸が指に当たる場所にシールやサインペンで印を付けると子どもが理解しやすい=同(下)。手を握りしめないことも大切で、丸めたハンカチを手のひらで軽く握りながら練習すると、感覚をつかみやすいという。

 試しに、長女に練習させてみると、箸の先端がうまく合わない。これでは食べ物をつかめない。山口さんは「親が箸の先を持って合わせ、かちかちと音が鳴るように動かしてやる練習をしましょう。手の力を抜いて持つことが大切です」と言う。

 幼児の場合、この方法で練習を始めて一週間程度で使えるようになることが多いという。逆に、自己流の持ち方のまま大きくなると、持ち方を矯正するのに苦労するケースもあるという。

 山口さんは、正しい箸の持ち方が、一緒に食事をする人と気持ち良く食べる生活習慣を身に付けるだけでなく、成長も促すことを強調する。「お豆腐をはしで切って、つまみ、口に運ぶ。簡単なようでも高度な脳の働きがあってはじめて実現できる動作です。食材に合わせて力を加減する上手な箸使いを通じて、自分のことだけでなく相手を思いやる心も育んでほしいですね」と語る。

 なるほど。記者の長女も、来週の今頃には上手に箸が使え、心も豊かになっている。そう信じよう。

 (稲田雅文)

 

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