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孫育ては“距離感”大事 イクジイ候補の記者、講座に行く 

 娘の出産が予定通りなら、来月のクリスマスのころ、記者(59)もいよいよ「じいじ」になる。男の子の初孫を宿した娘夫婦の家はわが家から電車で三十分ほど。「ばあば」ともども孫育てに関わらないわけにはいくまい。ただ、孫育てに疲れ果てる「孫ブルー」なる言葉もある昨今、下手をすると三世代の関係はぎくしゃくする。東京都大田区内の幼稚園が先月開いた「孫育て講座」に参加し、心構えを学んだ。

 参加したのは「イマドキの子育てを知って孫・パパ・ママの応援団になろう!」と題した講座。講師は、NPO法人「孫育て・ニッポン」の棒田(ぼうだ)明子理事長(49)だ。子育てサイトの企画・運営に携わった経験から祖父母向けの情報不足を痛感し、講座開催などの支援に乗り出した。すでに孫のいる人、記者のような予備軍ら約二十人が集まった。男性も数人いてホッ…。

 まずは、参加者が出身地や小学生のころ、どんな遊びをしていたかを含めて自己紹介。子どもを取り巻く環境の昔と今の違いを分かってもらう狙いらしい。

 「年齢の上下に関係なく野山や空き地を駆け回った」「川で泳いだ」といった昭和世代のワイルドな遊びが語られる。しかし、棒田さんは「今や公園でボール遊びは禁止。道路にも遊びに使ったチョークの跡が見られない」など、戸外に十分な遊びの場や相手、手段もないイマドキの子ども事情を指摘した。

 さらに、今は「雑巾絞りができない」「水道の蛇口のひねり方を知らない」「自動洗浄トイレ以外では水の流し方が分からない」といった子もいるなど、信じられないことばかり。参加者からはため息が漏れる。

 棒田さんによると、これは世の中が便利になったためだけでなく、核家族化などで子どもの成長過程で接する大人が減少している影響がある。「だからこそ、子に多様な知識や経験を教えられる祖父母の役割は大きい。多世代の関わりは、子の相互理解力や思いやりの心を育む」との説明には、思わず大きくうなずいた。

 具体的には、生きる楽しさ、暮らしの知恵、老いの現実を伝えていく。言葉ではなく、仕事や趣味に一生懸命に取り組む様子を見せる。子どもは大人が集中していることに自然と興味を持つ。人類の進化の過程を参考に、歩く(散歩)▽道具を使う▽火を使う▽言葉を使う(会話する)−を一緒にしてあげるといい、との提案にも納得した。

 しかし、こうした触れ合いの中で「孫の魔法には要注意!」という。孫のかわいさに祖父母は何でもささげたくなるが、やりすぎは孫ブルーのもと。間合いが肝心だ。そこで棒田さんは「四つの単語をメモして」と呼び掛けた。四つとは「心」「体(力)」「時間」「おカネ」。祖父母はこれらに余裕を残して孫と接するべきだという。

 息子・娘夫婦とは「家族だから言わなくても分かるではなく、何が必要、不要か話し合いをすること」と強調した。中でも、育児のノウハウには祖父母が口を挟まないのが鉄則だ。

 最近は「祖父母手帳」などのガイドブックを発行し、積極的に孫育てを応援する自治体も目立つ。それらも参考にしたい。自分の子育て時代は、仕事にかまけて「イクメン」とはいかなかったが、今度こそ「イクジイ」になろう。

 (白鳥龍也)

 

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