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カラオケもいいけど…歌声喫茶 50〜60代に人気

歌声サロンで、思い出の曲を斉唱する参加者と神田陽子さん(右から3人目)=名古屋市中区の同市短歌会館で

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 1950年代から60年代にかけてブームとなった「歌声喫茶」が今、地域のイベントや歌声サロンなどにも形を変え、元気な高齢者の交流の場として活気づいている。カラオケでは味わいにくい一体感が魅力で、50代、60代の“次世代”にも愛好者が広がりつつある。

 「次は『青春時代』です。皆さん、胸に刺さったとげの一本一本を覚えていますか?」

 東京・新宿にある老舗の「うたごえ喫茶ともしび」。七十代の歌唱リーダーが、歌詞にちなんだトークで笑いを誘った。同世代の客たちが歌集を開き、ピアノの前奏が始まる。席を離れ、ステージで歌う人もいる。平日のこの夜は三十人ほど。週末には七十席が埋まることもある。

 店長の斉藤隆さん(57)は「カラオケに押されて低迷の時代が続いたけれど、二〇〇〇年ごろから上向いてきました。団塊の世代が現役を引退して時間の余裕ができたこと、元気な高齢者が増えたことが主な要因。昭和歌謡ブームも後押ししています」と話す。

 各地の公民館、ホテルなどに同店のスタッフが出掛ける「出前うたごえ」もうなぎ上りに増え、年間二百回に達する。「定期的に活動している団体は、数年前の段階で全国二千カ所と推計しました。今はさらに増え続けて、想像もつきません」

      ◇

 名古屋市中区の同市短歌会館を中心に活動する「歌声サロン ラウム」は、創立二十周年を迎える。歌声喫茶の復活を目指して、代表の池辺三郎さん(81)とピアニストの亀谷登志子さん(87)が中心となり、活動してきた。飲食の提供はないが、歌集の中から参加者のリクエストを受けピアノ伴奏で歌う形は往年の歌声喫茶と変わらない。同会館で月に十数回のサロンを開くほか、二十五カ所の小劇場、文化センター、ホテルなどのイベントに協力している。

 歌声喫茶の全盛期を知る世代は、ロシア民謡や労働歌のリクエストが多いが、その一方でラウムが力を入れているのは「次世代への継承」だ。昨年、歌唱リーダーの神田陽子さん(60)の協力で、七〇年代以降の曲も多く取り入れた新しい歌集を作った。「糸」(九八年)、「聖母たちのララバイ」(八二年)、「異邦人」(七九年)などが人気だという。

 二十三日に神田さんが担当したサロンで、南沙織さんの「色づく街」をリクエストした津市の星野千代さん(62)は「若いころファンでした。カラオケより、みんなで一緒に歌えるのが楽しい」と笑顔。

 クラシックとの接点も模索し、十一月二十三日午後二時から、同市中区栄の宗次ホールで「初めての歌声クラシック」と題した催しを開く。シューベルトなどの歌曲や童謡を中心にした企画だ。「クラシック専門ホールなので、観客が一緒に歌うのは初めて。ステージと客席をつなぐ試みとして、反響も上々です」と同ホールの企画担当・西野裕之さん(36)。

 参加費千五百円、歌集代五百円。(問)ラウム=電090(7672)8527

 (編集委員・安藤明夫)

 

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