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<食卓ものがたり> キンミヤ焼酎(三重県)

「キンミヤ焼酎」を手にする「宮崎本店」の宮崎由太さん

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 東京の居酒屋で、三重生まれの「キンミヤ焼酎」は親しみを込めて「キンミヤ」と呼ばれ、愛されている。それなのに、地元での知名度はいまひとつ。「東京ではもともと焼酎を割って飲む酎ハイが人気。でも東海地方にはその文化が根付いてこなかった」。製造元の「宮崎本店」(三重県四日市市)の七代目で代表取締役専務・宮崎由太さん(41)は言う。

 江戸時代末期の一八四六年創業の同社は、地元で清酒「宮の雪」の蔵元として名高い。でも実際には、キンミヤが、同社の酒類の総出荷量の四分の三を占めている。昨年度は一升瓶換算で約三百万本を出荷。そのうち関東方面への出荷は八割を超える。

 同社が東京に根付くきっかけとなったのは、一九二三年の関東大震災。当時の社長が水や食料など支援物資を船に積んで東京に向かい、取引があった酒屋に無料で配布。店主らは恩義を忘れず、キンミヤをひいきにするようになった。

 キンミヤの製造法はいたってシンプルだ。サトウキビの糖蜜を原料にしたアルコールを蒸留器に入れて、水を加える。ミネラル分が少ない鈴鹿山系の超軟水を使うことで、ほのかに甘いまろやかな味に仕上がる。

 二〇一二年からは、グラス一杯分のキンミヤをパウチに入れた「シャリキン」を販売。シャーベット状になるまで冷凍庫で凍らせてグラスに移し、ソーダなどを注ぐ。キンミヤを凍らせて飲む方法はもともと東京の居酒屋の間で流行し「シャリシャリのキンミヤ」を略してシャリキンと呼ばれていた。それを製品化したという。宮崎さんは、「キンミヤを支えてくれているのは、昔からの東京とのつながり。ネット上の口コミで、若い層にも人気が広がっていてありがたい」と話す。

 (文・写真、細川暁子)

◆味わう

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 キンミヤやシャリキンは、ソーダなどの炭酸飲料や緑茶、ジュースなどで割って飲むのが人気。水または炭酸水で割ってトウガラシと大葉を加える飲み方は、見た目が金魚鉢を連想させるため「金魚」と呼ばれ、通に愛されている。

 最近ブームになっているのは、東京都大田区の「コダマ飲料」が製造する炭酸飲料「コダマバイスサワー」=写真=で割る飲み方。しそ梅風味のさわやかな酸味がキンミヤによく合い、ピンク色の見た目も美しいと評判で、取り扱う居酒屋が全国で増えているという。

 

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