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見て触って不思議を体感 身近な場所で自然観察

はがれかかった木の皮の内側を見る長谷部さん。「こういうところは昆虫がいて面白いですよ」=東京都渋谷区で

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 昆虫が活発に動きだし、草花も日に日に成長する季節。「子どもを自然に親しませたい」と願う保護者も多いだろう。とはいえ、自身が詳しくないと尻込みしてしまうし、緑が豊かな地域に出掛ける機会もそう頻繁にはないもの。そこで、「ネイチャーエデュケーション」の著書があり、子ども向けの自然体験教室を開いている長谷部雅一(まさかず)さん(40)=東京=に、知識がなくても身近な場所でできる自然学習の方法を教えてもらった。

◆保護者が“仕掛け人”に

 東京都渋谷区の小さな神社。交通量の多い道路やビルに囲まれた一画だ。「都会のど真ん中でも十分です」。長谷部さんはそう言うと、ツバキの生け垣の下に落ちていた花を拾い、紙にこすり付けた。花の色はピンクなのに、紙は紫に染まっていく。

 「花びらで絵を描いてもいいし、子どもがなぜ紫色になるのかに関心を持ったら、その理由を調べてみても楽しいですよ」と言う。ちなみに色の変化は、こすり付けたときに発生する熱と花の色素の反応などによって起こるのだそうだ。

拾ったツバキのつぼみ。縦半分に割って中を観察するのも面白いという

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 自然教育というと、動植物の名前や生態を勉強することと思うかもしれない。しかし、長谷部さんは「聞く」「観察する」「描く(書く)」「捕獲・採取」を意識すると良いと言う。「実際に見たり触ったりして色や形、動きを感じさせてほしい。その子なりの発見や疑問をキャッチし、興味ややりたいことを伸ばしてあげてほしい」と、保護者が子どもが関心を持つ“仕掛け人”になるよう呼び掛ける。

 長谷部さんは続いて、境内の樹木から何かをつまんだ。手にしていたのは、セミの抜け殻だ。次々と抜け殻を見つけては採取し、「集めるだけでも楽しいですし、割って抜け殻の中がどうなっているか調べてみるのもいいです」とアドバイスする。

 地面をじっと見て、幼虫がはいだしてきた穴を見つけるのも楽しい。「公共の公園などだったら、掘って穴の深さを確かめちゃいましょう。インターネットなどで調べるよりずっと面白い」と話した。

 長谷部さんは、「ひっつき虫」とよばれる植物の種子をヒントに、面ファスナーが開発されたことなどを挙げ、「私たちは自然から多くを学んでいる。幼いうちに不思議さや面白さ、怖さなどを体感することは大切」と、力を込めた。

神社で見つけたセミの抜け殻

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 教室に参加した子どもの保護者からは、「早く寝るようになった」「ごはんをたくさん食べるようになった」といった感想も寄せられているという。

 公園などへ出掛けるときは手ぶらでも構わないが、虫眼鏡、スケッチブックとクレヨン、木の実や抜け殻を集めるのに使うポリ袋などがあると、楽しみ方の幅が広がるという。

 (諏訪慧)

 

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