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<空き家を生かす!!> 団地利用の分散型サ高住(下)

地域の拠点施設になるスーパー跡地。見学者らが広さに驚いていた=名古屋市北区山田で

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 古くなってきた集合住宅の空室を、サービス付き高齢者住宅(サ高住)に改装して活用する「分散型サ高住」。高齢者だけが集まって生活するのでなく、もともと団地に住んでいる幅広い年代の人たちの中に、高齢者が溶け込んで暮らしていく新しいタイプのサ高住として注目されている。十二日付の(上)で紹介した東京都板橋区の「ゆいま〜る高島平」を上回る規模の分散型サ高住「ゆいま〜る大曽根」の整備が、名古屋市北区で進んでいる。

 「転居した後の暮らしのイメージが湧いてきた」。九月下旬に入居開始となる計画で改装工事が進んでいる団地を、高齢者たちが下見に訪れて声を弾ませた。

 この団地は、愛知県住宅供給公社が管理する。改装されるのは、十一階建ての四棟のうち二棟に点在する計四十室だが、二〇一九年までに七十戸に増える予定だ。改装後は、高島平と同じく「コミュニティネット」(東京都千代田区)が運営する。

 大曽根の建物は一九七三年の完成で、外壁などに傷みも見られる。老朽化した印象に輪をかけるのが、スーパーが二〇一二年に撤退してできた広さ約千平方メートルの空きスペースだ。看板などがそのまま残り、シャッターが下りている。県住宅公社は「有効活用が急務の物件だった。高島平の事例も参考にして分散型サ高住の計画にした」(賃貸住宅課)と説明する。

 特徴となるのはスーパーの跡地千平方メートルを利用して整備される地域コミュニティー拠点だ。来年三月に開所する予定で、地域の資源リサイクル拠点となる「資源カフェ」やレストラン、物販コーナー、文化教室などが入る計画。就労援助などで障害者を支援するNPO法人「わっぱの会」(名古屋市北区)が改装の立案や完成後の運営を担当する。

 資源カフェは、古紙や缶などのリサイクル資源買い取りセンターと喫茶店を併設。周辺住民が持ち込んだ資源ごみを、NPOの活動として圧縮などの処理を施し、リサイクル業者に販売する。その売り上げは運営費に充てられる。住民たちには、ごみを持ち込んだついでにモーニングを楽しむなどして交流してもらう。わっぱの会の斎藤縣三(けんぞう)理事長は「高齢者や障害者が垣根なく働ける場にするとともに、世代を超えて地域住民が交流できる場にしていきたい」と意気込む。

スーパーが撤退した団地の1階=名古屋市北区山田で

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 コミュ社の関連団体が、昨年十一月から毎月一回、団地内や周辺でコミュニティー拠点についての説明会を開いており、毎回、二十〜三十人が参加している。「新しいサ高住でどのような暮らしができるのか」などと興味を持ち、県外から見に来る人もいるという。十二日も数人が、工事が始まったコミュニティー拠点となる空間の広さに驚きながら見学し、「夢が広がります」と話していた。

 入居予定者は、夫婦か一人暮らしの高齢者。もともとファミリー向けだった3DKの部屋が、三タイプの1LDKに改装される。家賃は月七万円前後になる見通し。一人暮らしの場合だと、家賃と見守りなどのサービス利用料、共益費の合計額は十二万円未満となるという。

 (白井康彦)

 

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