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自炊で「ちゃんと一人暮らし」 「自分の味」を目指して

比良松道一さん

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 4月から就職、進学、転勤などで一人暮らしを始める人にとって、悩ましいのは食生活。自炊を習慣にすれば、健康づくりはもちろん、節約にも役立つ。シンプルで豊かな“自炊のススメ”を、九州大「持続可能な社会のための決断科学センター」准教授(園芸学)で、学部生向けに少人数授業「自炊塾」を開いている比良松(ひらまつ)道一さん(51)に聞いた。

 比良松さんは今年四月からの「自炊塾」で、「まず小さなお盆かトレーを買ってね」と学生に呼び掛けるつもりという。

 料理研究家の土井善晴さんの著書からヒントを得た。そこには「机の上が散らかっていても、お膳の中はきれい」であり、一人での食事にけじめがつく−とつづってあった。確かにお盆に、ご飯茶わん、汁わん、皿、箸、箸置きが並ぶだけで絵になる。

 比良松さんは「学生も『自分は偉いなぁ』と、自炊のモチベーションが上がるんじゃないかな」と笑う。

 やる気の持続には、料理のハードルを上げすぎないこと。「ご飯を炊いて、みそ汁を作り、漬物を添える程度を目指し、足りなければボリュームのあるおかずを買って加えればいい」と比良松さん。

 ただ、みそ汁はだしを取って作ることを勧める。理由は「手軽なのにおいしくて豊かになれるから」だ。

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 作り方は簡単。麦茶などを入れるポットに、水の分量の2%のいりこ(煮干し)やかつお節を入れ、冷蔵庫に一晩置くだけ。水一リットルなら二十グラムだ。みそ汁以外にも、肉じゃがや茶わん蒸しなどさまざまな料理に使える。

 料理に関しては「レシピに頼りっぱなしにならないで」とも。住む地方によっては調味料の味も違う。初めは参考にしても「きちんと味見をして、自分の味を目指して」。基本的な調味料の比率=表参照=を知っていると役に立つ。

 食生活を整える上で、積極的に取りたい食材は、豆、ごま、ワカメ(海藻)、野菜、魚、シイタケ(キノコ)、芋だ。「まごわやさしい」と覚えよう。調理道具は少しずつそろえればいい。キッチンにコンロが一口しかない場合、カセットコンロがあると便利だ。

 比良松さんは、自炊で時間を管理する力も付くとした上で、「自分がちゃんと暮らしている、流されずに生きているという実感を得られることも大きい」と話す。新生活前に実家などで予行演習しておくといい。

◆九州大自炊塾 「続けるには仲間も大切」

 自炊塾は2013年に始まった。比良松さんの「良い農作物を『買い支える』食生活が失われている」との問題意識が出発点。体験を重視し、学生は自宅での調理も求められる。テーマを決めて週1回1品持ちより弁当の日もある。

 新旧の受講生らの会員制交流サイト(SNS)もある。投稿した料理写真に称賛や助言が寄せられ、意欲の向上につながるという。「自炊を続けるには仲間も大切。毎週料理を持ち寄ったり、鍋パーティーをしたりする学生もいます」

 (竹上順子)

 

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