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<天職ですか> 女性ファッション誌編集長・平沢梢さん(33)

「読者の好きなもの、新しいものを常に見ながら、雑誌をつくりたい」と話す平沢梢さん=東京都千代田区の宝島社で

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 赤ペンを手に、次号のゲラに入念に目を通す。「掲載する商品の問い合わせ先が間違っていないか、一件一件、電話するなど、地味で細かい作業も多いです」。二十代後半から三十代前半の女性向けファッション誌「SPRiNG(スプリング)」の編集長平沢梢さん(33)は話す。

 名古屋市千種区出身。幼いころから本が好きで、中高生の時はファッション誌を熟読した。「自分の知らない世界が広がっていた。好きなものを追いかけて、世の中に出したい」と編集者を志した。

 早稲田大卒業後、二〇〇七年四月に中堅出版社に就職。主に男性誌を担当したが「若いうちに女性誌をやりたい」と、一〇年に宝島社に転職した。別の女性誌を三年間担当して今の部署に移り、一四年八月に編集長に就いた。

 編集長として全体の構成を考え、部員が出す企画の確認をしながら、今も現場に頻繁に足を運ぶ。アパレル会社などが打ち出すトレンドを取材し、読者層の関心を探り、企画を練る。編集会議で認められれば、構成を考え、モデルやカメラマンらに依頼を出す。「一緒に仕事をすると、彼らの考えが分かり、現場の感覚を忘れないでいられる」

 一四年九月号から誌面をリニューアル。ターゲットをかわいらしさを重視する人から、シンプルで男性的なファッションを好む人に切り替えた。音楽や本にもこだわる「文化系女子」層も意識する。

 当初、部数は刷新前の半数ほどに減った。しかし、付録や日本人モデルを復活させることなどを試みると、部数は落ち込んだ時の三倍となる十万部を超えた。「変えるのは怖いが、うまくいかないなら何か変えないといけない」

 編集長になり、自身が目指した編集者像の狭さにも気付いた。「編集者としては、一つのことを突き詰めるスペシャリストになれないと悩んだ。でも、部をまとめる立場からは、いろんな編集者がいたほうがいい。個性を生かし、面白く新しいものを伝えたい」。天職を得たという確信が、ようやく生まれた。

 (文・写真、出口有紀)

 ※「天職ですか」は今回で終わります。

 

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