【暮らし】<味ある記>主婦のアイデア 文句ナシ ナチャップ(滋賀県彦根市)2010年7月31日
ケチャップといえばトマト味。そんなイメージを覆すのが、滋賀県彦根市稲枝(いなえ)地域で採れた「彦根梨(なし)」を使う同市のオリジナル調味料「ナチャップ」だ。商品化した地元の稲枝商工会は「程よい甘さとまろやかさが特徴。新感覚のケチャップです」とアピールする。 誕生のきっかけは、同商工会が二〇〇五年に実施した特産品のアイデア公募。そこに「ナチャップ」の斬新な提案が地元主婦からあった。「稲枝地域を地元資源の活用で元気にしたい」とする開催趣旨にもぴったりだった。 高い糖度と豊富な果汁が特徴の彦根梨を主原料に、地元産のタマネギやトマトを加える。そんな原案を基本としつつ、試食アンケートを約三千人から取るなどして風味を微調整。〇八年の正式発売にこぎ着けた。 「経験したことがない味として買い求める観光客は多いね」。商品を取り扱うJA東びわこの直売所「彩菜館」の館長、長束由和さん(67)はうれしそう。人気を背にナチャップシリーズは現在、元祖の「ケチャップ」タイプのほか、「ドレッシング」「パスタソース」「焼き肉のたれ」の三タイプも加わり、ラインアップが充実する。 同市内で料亭「丸駒」を経営する久保田郁夫さん(53)の協力で、ナチャップ料理を試食した。いただいたのは、ドレッシングで味付けする魚介類のカルパッチョだ。
口に運ぶとナシの甘みがほのかに広がり、のみ込んだ後にピリッとくる酸味が心地いい。白身魚や野菜にも良く合い、さっぱりと食べられる。久保田さんは「ドレッシングはナシをすりおろした状態。とろみがあって食材とほどよく絡まり、満遍なく味わえる」と魅力を話した。 ナチャップが地域に与える恩恵は多岐にわたる。原料にするのは彦根梨のうち、形がいびつなどの理由で出荷が見送られた規格外品。生産農家にとって、自家消費や廃棄処分していた作物を現金化できる。生産農家の北川貞雄さん(70)は「安値とはいえ、買い取ってもらえるのはありがたい。ナチャップが彦根梨のPRにもなればいい」。 加工作業を試作段階から担ってきたのは、〇七年開所の地元作業所「つばきはらファクトリー」。施設を利用する障害者二十七人のうち、約十人がナチャップ作りに励んでいる。所長の桂田孝司さん(37)は「商品が店頭に並ぶため、仕事の成果が分かりやすく、本人たちのやる気につながっている。地元との交流も深まりました」。 同商工会によると、ナチャップ利用のメニューを常時提供する地元飲食店はまだない。経営指導員の山口浩之さん(38)は「会員店に活用を促し、外から多くの人が食べに来てもらえるような環境にしたい」と思い描く。 (片山健生)
ナチャップを販売する滋賀県内の店舗は、彦根など5市町に計7カ所。一部を除き、ケチャップ(200グラム)とパスタソース(同)各400円、ドレッシング(同)350円、焼き肉のたれ(230グラム)500円。今季収穫するナシを使ってのナチャップは4種で計5000個を生産する予定。問い合わせは、稲枝商工会=電0749(43)2201 PR情報
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