トップ > 中日懇話会 > 懇話会一覧 > 記事

ここから本文

中日懇話会

第522回 国の放漫財政 転換を 日本総研・河村氏講演

写真

 第522回中日懇話会(中日新聞社主宰)が6日、名古屋市内のホテルであり、日本総合研究所の河村小百合上席主任研究員(54)が「財政再建先送りで高まるリスク−日銀の金融政策とわが国の財政運営の行方」と題して講演した。国の借金が積み上がる中、独立性が求められる中央銀行である日銀の国債保有率が5割に迫る現状を「国の放漫財政に加え、中央銀行が過剰なリスクを負っている」と問題視し、財政再建の緊急性を訴えた。

 講演の要旨は次の通り。

 【増える借金】

 名目の国内総生産(GDP)と比較した債務残高の規模が200%を超えている先進国は日本だけだ。なぜ、ここまで借金が増えたのか。例えば600億円の国債を出して10年後に満期を迎えても100億円しか返済せず、残りの500億円を借り換えるための「借換(かりかえ)債」を多く発行しているからだ。

 財政法は橋や道路の整備に充てる建設国債を60年かけて返済する「60年償還ルール」を定めているが、社会保障や教育の歳出に充てる赤字国債にもなし崩し的に適用した。その結果、借換債の山になった。他の主要国は借換債の発行を最小限にして、可能な限り元本を返済している。新発国債だけでなく、借換債も返済しなければデフォルト(債務不履行)になる。

 【過剰リスクの日銀】

 日銀はどれだけ国債を買い占めているのか。大規模な金融緩和を5年以上続けた結果、日銀が国債を保有する割合は46・5%に達した。中でも5年債は70%を超えている。これではマーケットが動かない。実態としては事実上、「(日銀が政府の借金を引き受ける)財政ファイナンス」の状態になっている。

 国債を大量購入する経済政策の結果は、日銀の資産規模にも出ており、日本の名目GDPを上回るほどの状態だ。他の主要国の中央銀行と比べても突出している。日銀は中央銀行として過剰なリスクを冒している。今の日銀は政府と1体化してしまっている。

 【財政再建】

 放漫財政などの「不均衡」を抱えて資本流出などに見舞われた国は、先進国の中にもある。アイスランドやキプロスは資本の移動や預金引き出しに規制をかけ、経済的な鎖国状態に陥った。日本の経済と財政をどう安定的に持続させるかが今後の課題だが、「事実上の財政ファイナンス」をできるだけ早く収束させるとともに、しっかりと財政再建に取り組むべきだ。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索