トップ > 中日懇話会 > 懇話会一覧 > 記事

ここから本文

中日懇話会

第520回 スポーツの機会誰でも 大会会長・有森さん

写真

 第520回中日懇話会(中日新聞社主宰)が4日、名古屋市内のホテルであり、1992年のバルセロナ五輪女子マラソン銀、96年アトランタ五輪銅メダリストの有森裕子さん(51)が「スポーツで社会を変える」と題して講演した。有森さんは、9月に愛知県で開かれる知的障害者のスポーツの全国大会「スペシャルオリンピックス(SO)日本夏季ナショナルゲーム・愛知」の大会会長を務める。講演では、スポーツを通じて誰でも成長や変化を起こせると強調し、「知的障害の人がスポーツをする機会を奪ってはいけない」と訴えた。講演要旨は次の通り。

 【スポーツの力】

 スポーツによって社会や生活が変わることに価値がある。96年にカンボジアで、対人地雷被害者支援のためのチャリティーマラソンを始めた。参加した子どもたちの真剣な表情を見てスポーツが持つ力を感じた。その後、国連人口基金の親善大使でアフリカ各国を支援した時も、マラソン大会を開催し、楽しみながら健康問題などを提起することで行動を促した。

 【機会の大切さ】

 自分自身、先天性の股関節脱臼があった。スポーツができず嫌いだった小学生のころ、よく気に掛けてくれた恩師が指導していた陸上クラブに入ったことが競技を始めたきっかけ。この機会がなければオリンピアンにはなっていなかった。

 2002年に東京で開かれたSOの全国大会のドリームサポーターに誘われた。私たちは運動会などでスポーツをする機会は当たり前にある。しかし知的障害のある人は提供されないとできないのかと驚いた。みんな同じく変化を起こせる可能性がある。誰もその機会を奪う権利はない。この思いは今も変わらない。

 【SOの意義】

 SOが米国で創設されて50周年。記念のサッカーの世界大会が今月、米国である。日本から出場するのは福島のチームだが、サポートしたのは名古屋グランパス。指導者は当初、教えても通じているか分からず不安を感じたというが、みるみる変わった。6月に元Jリーガーのチームと試合して勝った。その理由はただ、機会があったからだ。

 愛知で3日間行われる全国大会を見に行ってほしい。彼らに起きる変化に周りの人が驚く。東京五輪のある2020年の前後の年にはSOの世界大会やデフリンピック(聴覚障害者の国際総合スポーツ大会)もある。スポーツの意義を、そこで考えていただきたい。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索