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中日懇話会

第516回 災害から製造業守れ 名大・福和教授が講演

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 第516回中日懇話会(中日新聞社主宰)が29日、名古屋市内のホテルであり、名古屋大減災連携研究センター長の福和伸夫教授(61)が「次の震災について本当のことを話してみよう」と題して講演した。南海トラフ巨大地震に対する中部地方の防災対策に言及し、「製造業が強い中部圏を災害から守ることが、日本の未来にとって重要だ」と述べた。講演要旨は次の通り。

 【日本の災害史】

 太陽系と地球ができて約46億年。日本でも噴火や地震など数々の災害が起こった。その中でも現在とよく似た状況だったのは、1150年前の時代。阿蘇山や富士山の噴火、関東地震や南海トラフ地震などが発生した。

 【災害をテーマにした映画やドラマ】

 映画「シン・ゴジラ」は秀逸な防災映画だ。冒頭で危機管理力がない首相官邸が映し出されるが、これは東日本大震災の状況を象徴する。中盤の東京からの大避難に関しては100年前の関東地震(関東大震災)の疎開が、終盤のゴジラへの血液凝固剤投入は福島原発事故がそれぞれ暗示されている。

 大河ドラマでも、災害のシーンが描かれているものが多い。2016年の「真田丸」は伏見地震など3回の地震を取り上げている。現在の「西郷どん」の時代も地震だらけ。東海、南海、首都直下地震が起きたほか、コレラも大流行した。人間は見たくない現実から目を背けがちだが、映画やドラマなら楽しみながら見られる。

 【中部地方の防災対策】

 南海トラフ巨大地震は30年間で70〜80%の確率で発生するとみられている。死者は32万人の予測だが、直接死のみ。関連死を入れたら、100万人になる。日本のものづくりの中心は東海地域だ。産業出荷額の1位は愛知県で、西三河地方がその半分。さらにその半分は豊田市が占める。東日本大震災で最も大きなダメージを受けたのは、製造業が集中する中部圏だった。ここを守れるかで国の未来が決まると言ってもよく、県や市町が連携して対策に取り組む必要がある。

 現在、西三河地域の9市1町や名古屋大、電力企業などでつくる「西三河防災減災連携研究会」が緊急輸送路の見直しなどを連携して進めている。防災対策は後ろ向きでなく、創造的に、前向きに考えていく必要がある。

 

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