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中日懇話会

第509回 日本再生 育児支援で 日本総研・藻谷氏講演

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 第509回中日懇話会(中日新聞社主宰)が30日、名古屋市内のホテルで開かれ、日本総合研究所の藻谷(もたに)浩介主席研究員(53)が「中京地区、日本そして世界の人口成熟と対処策」と題して講演した。愛知県内の山村を例に「日本を再生するには、子育て支援を充実させ共働き世帯を増やして出生率を上げるしかない」と指摘し、首都圏への人口集中に警鐘を鳴らした。講演要旨は次の通り。

 【人口減少】

 2015年の国勢調査で、10年に比べ人口が増えたのは首都圏や愛知県など8都県だけで、他はすべて減った。ただそれは総人口の話。64歳以下では46都道府県で減った。

 減らなかったのは沖縄県だけ。理由は14歳以下が減っていないから。安倍晋三首相は人口1億人の維持を掲げるが、総人口の議論をしても意味がない。現役世代や赤ちゃんが減らないようにするにはどうするか議論すべきだ。

 【高齢化の先】

 終戦直後に生まれた団塊の世代が70代に入り、医療福祉負担が増えて財政が破綻することが懸念されている。ただ、いずれ団塊の世代も亡くなり負担は減る。すでに減り始めているのが全国にある過疎地だ。

 高齢化が急速に進み年寄りすら減っている状態と言えるが、医療福祉予算が下がり自治体財政は楽になる。その分を子育て支援に回すことができる。愛知県東栄町はすでに効果が出始めている。15年までの5年間で65歳以上は6%減ったが、充実した子育て施策に都市部から転入があり、4歳以下の人口は横ばいだった。日本再生はここからしかあり得ない。

 【共働き促進】

 女性が働くと子どもが減るという考えは間違っている。20〜30代の女性で働く人の割合は島根、富山、福井県の順で高く、出生率も首都圏より高い。首都圏では保育所を確保できず仕事を辞めなければいけない人もいる。首都圏に就職した若者を地方に呼び戻す、共働きしやすい環境をつくる。このことが日本の将来のためになり、企業には人手不足の対策にもなる。

 【日本の競争力】

 人口減に対し、移民の受け入れで対処する議論もある。ただ仮に年100万人の移民が流入する米国並みに移民を受け入れたとしても、5年で団塊の世代の半分にしかならず効果は薄い。人口がいずれ7000万人まで減るのは避けられないが、それでも欧州の先進国より多い。人口が減れば食料やエネルギー自給率も上がり、国がつぶれることはない。

 

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