トップ > 中日懇話会 > 懇話会一覧 > 記事

ここから本文

中日懇話会

第506回 日韓関係 少し厳しい 早大・李教授が講演

写真

 第506回中日懇話会(中日新聞社主宰)が19日、名古屋市内のホテルで開かれ、早稲田大大学院の李鍾元(リジョンウォン)教授(63)が「韓国新政権の対外政策 日韓関係の展望」と題して講演した。対日関係には、慰安婦をめぐる日韓合意に伴う問題があるものの、「新政権は外交、安全保障などの協力は進め、首脳会談にも積極的だろう」との見通しを示した。

 講演要旨は次の通り。

 【優先課題】

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、真面目で政治的野心はなくシャイで庶民的。裏を返せば、人の話は聞くが決断力が弱いということだ。外交の経験もほとんどない。

 韓国内の文氏への期待は高いが、国会では少数与党の政権。前途が明るいとは言えない。新政権の優先課題は国内問題だ。若者の雇用をつくり出すことや、財閥をはじめとする大企業と中小企業の格差是正などに取り組む必要がある。

 【対外政策】

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領は末期、強硬な対北朝鮮政策を取っていた。しかし、韓国内には、北朝鮮は脅威だが、戦争はしたくないとの認識がある。すでに発展している韓国は、戦争をすれば失う物が多すぎる。戦争より対話の方が好ましいとの考え方は世論に透けて見える。

 末期の朴前政権は外交面で八方ふさがりだった。文新政権は実情を考えて、各国との協力を打ち出さざるを得ない。

 まず、米韓関係の構築を優先順位のトップに置くだろう。安全保障の土台であり、(関係がうまくいかなければ)国内の統合にも問題が発生するからだ。そのうえで、北朝鮮問題を媒介に中国との関係修復も目指していく可能性が高い。

 【日韓関係】

 日韓関係は少し厳しいかもしれない。慰安婦合意(日韓合意)は、朴氏がトップダウンで強引に進めた面があり、韓国で反発がある。文政権は、どういう合意だったのかを検証しながら、関係団体に説明していく取り組みを進めるだろう。

 日韓は対立状態を際立たせない努力が必要だ。文政権は(歴史問題を切り離す)「ツートラック方式」で日本との外交に臨むと思う。今は外交が世論の動向に左右される難しい時代。日韓関係をどうしていくのかも世論の影響を受けることになる。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索