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中日懇話会

第505回 直ちに財政再建を 小黒・法政大教授講演

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 第505回中日懇話会(中日新聞社主宰)が14日、名古屋市内のホテルで開かれ、法政大の小黒(おぐろ)一正教授が「日本財政の限界−残された時間や選択は何か」をテーマに講演した。社会保障費の増大で悪化する財政について「2030年ごろには増税、歳出削減という正攻法ではどうにもならない状態に陥る。時間は限られており、直ちに財政再建を進めなければいけない」と警鐘を鳴らした。

 講演要旨は次の通り。

 【80年周期】

 日本の経済は80年ほどの周期で大きな出来事が起きている。1868年の明治維新から経済は拡大し1905年の日露戦争勝利をピークに45年には敗戦を迎えた。そこから奇跡の復興を果たしたが、85年のプラザ合意を転換点にバブル崩壊、円高と続き、2025年には団塊世代が75歳を迎え財政もますます厳しくなっていく。

 【2017年度予算】

 新年度の一般会計歳出総額は97兆円で33%を社会保障費が占める。一方で歳入の35%が借金で賄われている。今回の予算編成で政府は財政赤字が縮小したことを強調したが、日銀による異次元の金融緩和で長期金利が下がり、国債の利払いが縮小する効果があったからだ。16年度の税収は当初見積もりから下振れしており、景気減速の兆候かもしれない。17年度の税収も下振れし、財政赤字も拡大する可能性が高い。

 【楽観的な成長予測】

 政府は中長期的に2%超の実質GDP成長率を予測している。シナリオ通りなら税収と政策経費の差である基礎的財政収支を25年度に黒字化できる。ただ過去17年間で成長率の実績が予測を超えたのは3回のみ。実現は難しいだろう。

 【財政の限界】

 社会保障費は年1兆円以上のスピードで膨張しており、債務残高を安定させなければいずれ限界が来る。仮に30年ごろまで消費税増税を先送りした場合、消費税率を100%、つまり1000円の買い物に1000円の消費税を課さなければいけないほどの状態まで財政は悪化する。社会保障と税の一体改革をいま一度検討するべきだ。

 

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