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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】金沢仏壇 7種の職人 技ふんだん

金沢仏壇の良さを再発信しようと活動する青年部のメンバーら=金沢市の池田大仏堂で(西浦幸秀撮影)

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 きらびやかであり、厳かでもある国指定伝統的工芸品の金沢仏壇。漆塗りや金箔(きんぱく)貼りなどを手掛ける「塗り」など製造工程のそれぞれに七種の職人がいる。「技術の結晶であり、総合芸術とも言われる」と職人たちは誇りを持って作り続ける。(村松秀規)

 塗師(ぬし)の池田拓朗さん(33)=金沢市=が仏壇の本体となる木地に漆をはけで塗る。むらなく塗る以前に、大切な仕事がある。漆は気温や湿度によって乾き具合が変わる。早すぎるとしわができ、遅すぎると作業が進まないため、日々、漆の調合を変えなければならない。「漆は生き物。人に聞いても分からない。やって覚えていくしかない」

 最後に仏壇を組み上げるのも塗師の仕事だ。豪華なものが出来上がると、「きれいやなあ」と思う。「塗り」のほか、木を加工する「木地」、内側の屋根を作る「宮殿(くうでん)」、木を彫る「木地彫り」「箔彫り」、模様を描く「蒔絵(まきえ)」、装飾品を作る「金具」。全職人の技術が関わり合ったことを感じるひとときだ。

 だが、残念ながら近年、仏壇を購入する人は減っている。さらに、仏間のない家が増え、「彫り」など工程の一部を省いた小さな仏壇を作ることも増えた。そうした状況が続けば、技術の継承は危うくなる。

 池田さんは一八五〇(嘉永三)年創業の仏壇製造・販売「池田大仏堂」(金沢市安江町)の七代目。初代から代々、木地の職人を継いできたが、六代目の父典明さん(68)から「塗りをやれば仏壇の全てが分かる」と言われ、塗師になった。将来、仏壇の販売のことも考えてほしいという意味ととらえたという。

 生活と信仰を結んできた金沢仏壇を残していきたい。池田さんは数年前から、金沢仏壇商工業協同組合青年部の若手八人と一緒に、金沢仏壇や仏具などを展示する企画展を開催したり、塗りなどの技術を生かしたアクセサリーを作ったりして、金沢仏壇の良さの発信に努めている。

 「手を合わせる場所、心のよりどころの仏壇をなくしたくない。お客さんに喜ばれる物を作り続けたい」

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は11日午後6時25分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送し、池田拓朗さんのインタビューを後日、金沢版で掲載します。

 

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