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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

加賀水引 途絶えさせない 津田水引折型 津田六佑さん 金沢

水引細工で「花」を作る津田六佑さん=金沢市野町で

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 27日朝刊30面に掲載した連載企画「守る」で紹介した加賀水引の津田六佑さん(37)のインタビューです。(寺田結)

 子どものころ、そばに水引があるのが当たり前でした。水引に巻かれた絹糸を引っ張ったり、ほどいたりして遊んでいましたね。おかげで、どれが美しい水引なのかは自然に分かるようになりました。

 大学卒業後、ホームページを作る仕事などをしていましたが、いつかは家のことをやらないといけないな、という思いが頭の片隅にずっとありました。十年ほど仕事をしたし、新幹線の延伸で金沢に人が増えそうだったので、戻るならこのタイミングかなと。

 そんな軽い気持ちで、二〇一四年の八月から、加賀水引の仕事を始めました。「伝統を守りたい」なんてことは思っていなくて、代々続いてきた加賀水引を自分の代で途絶えさせるわけにはいかないという使命感に駆られてやっています。

 初めて店に出たとき、お客さんの質問に、うまく答えられずに悔しい思いをしました。それをきっかけに初代の左右吉(そうきち)さんが残した加賀水引の資料を読み始め、包む文化の最先端を走っていた彼がいかにすごい人だったか再確認しました。流れを止めたらいけないと感じたんです。

 特別なことをしているという意識はありません。水引細工を作るだけではなく、気持ちを込めて和紙で包み、美しい文字を書く加賀水引は、相手に気持ちを伝える一つの手段です。贈り物をするとき、そのもの自体の価値は変化させられませんが、美しい包み方で気持ちを伝えることはできると思います。

 実は、正直に言うと、気持ちが伝われば、水引から別のものに形が変わってもよいと思っています。東京五輪が近いので、国立競技場をプロジェクションマッピングで包んでみたいと考えたこともありますよ。水引では、包めるサイズに限界がありますからね。

 アイデアはたくさんあります。でも、まずは先代が残してくれた加賀水引を習得したいと思います。「包む」という本質から、それないように作っていきたい。二人の娘がいるので、後に「やりたい」と言われたら、教えてあげられるようになっていたいですね。

 つだ・ろくすけ 1981年生まれ。1915(大正4)年創業の「津田水引折型」(金沢市野町)5代目。

 

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