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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第2部 伝統】感謝、喜び心込め包む 100年の歴史「加賀水引」

「加賀水引」の技術を教える津田宏さん(中)と息子の六佑さん(右)=金沢市内で

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 水引細工や和紙を立体的に進化させた「加賀水引」。「津田水引折型」(金沢市野町一)の初代、津田左右吉が大正四(一九一五)年に始めた。言葉ではなく、包みで気持ちを伝える奥ゆかしいコミュニケーション手段でもある。跡を継ぐ四代目の宏さん(62)、五代目の六佑(ろくすけ)さん(37)の二人は、思いを込めて作り続ける。(寺田結)

 和紙の包み方はふわっと。水引細工は立体的に。そして、中央の白い紙には調和の取れた美しい文字。「包む、結ぶ、書く。三つ全ての芸術性を高めたものが加賀水引として認められる」。六佑さんは説明した。

 長さ三十センチの水引を親指と人さし指で挟み、すっと滑らせるようにしごいて、少しだけ曲げる。宏さんは「しごきすぎると、コシがなくなる。指先の感覚でやっている」と言う。

 宏さんは、この水引を編んで作った「梅の花」に、先に作った「松」を合わせた。水引の端をはさみでそろえて、棒に巻き付けて丸みを持たせる。これは、津田流の思いやり。端が「切れて」いると、縁起が悪いからだ。

 六佑さんは大学卒業後、企業に就職し、ホームページを作成する仕事などに携わっていた。四年前の夏、会社勤めをやめ、加賀水引の世界で生きていくと決めた。いまは日々、宏さんの作業を見て覚え、時に編み方を教わり、技術の習得に努める。

 最近は、水引細工で作ったアクセサリーが人気だが、津田水引折型は「包む」という行為にこだわり続ける。「心を込めて品物を美しく包み、お客さんに渡すまでが加賀水引です」と二人は口をそろえる。

 加賀水引で包む物はさまざまあるが、中でも結納の品は華やかに包む。「結納の初めてのお客さまは、息子の結婚を控えた小学校の校長先生だった。すごく喜んでもらえた」と宏さんは振り返る。

 「感謝の思いを伝えることを手伝うのが加賀水引」(六佑さん)「贈る側と贈られる側、双方に喜んでもらえることがうれしい」(宏さん)。

 そんな気持ちが、加賀水引を見ると伝わってくるのだろう。きょうも、津田水引折型に全国から注文が入る。

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。石川テレビの特集は27日午後6時25分ごろからの「石川さんプライムニュース」で放送し、津田六佑さんのインタビューを後日、金沢版で掲載します。

 

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