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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

心を打つようにたたきたい。そうすれば残る 「虫送り太鼓」復活

虫送り太鼓について話す谷内和美さん=金沢市田上本町で

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谷内和美さん 金沢・田上本町

 金沢市田上本町では、豊作を願う「虫送り太鼓」が三百年くらい続いたと伝えられていますが、だんだん田園風景がなくなり、一九六〇年代半ばにやらなくなった。約半世紀、廃れていましたが、昨年、復活させることができました。

 昔のことをちゃんと知っている人がいる間に復活させようと思ったんです。ここで私たちがやらなかったら太鼓はなくなってしまう。それはもったいない。

 実は、十年ほど前、有志が虫送り太鼓を復活させようとしました。でも、できなかった。「昔はこういうたたき方だったから、絶対こうでないと」といったこだわりがあり、まとまらなかったと聞いています。

 私たちは「九十パーセント合っていればいいんじゃないの」という気持ちでやっています。本当のたたき方ではないかもしれないけどベースが合っていればという感じ。田上本町に移り住んだ人たちの心を打つようにたたきたい。そうすれば、太鼓は残ると思うから。

 昨年は、町内の朝霧公園で太鼓を披露したのですが、「虫送り」と言われてもよく分からなかったみたいで、新住民の人は全然こなかった。今年は、「こんなもんあるんやな」と分かってもらおうと、トラックに太鼓を載せてたたいて、町内を回りました。

 地域の高齢者たちから「よう復活させてくれた」とか「聞くのが楽しみ」と言われました。太鼓を通じて町が一体になれるとうれしい。世の中が便利になって生活しやすくなった。でも隣近所に誰が住んでいるか分からない。太鼓で人のつながりができて、一緒に感動したり、手助けし合ったりする町になっていければいいです。

 太鼓をたたく練習に参加する新住民は、今は木村婦美子さん(42)だけですが、太鼓を好きになってくれる人はほかにもいるはず。音色が若い人の心に響けば習いにきてくれるかな、と期待しています。 (山内晴信)

 ◇ 

 二十六日付朝刊社会面に掲載した連載企画「守る」で紹介した虫送り太鼓復活に尽力した谷内和美さんのインタビューです。

 やち・かずみ 1956年生まれ。幼いころの思い出から虫送り太鼓を復活させたいと思い活動。現在は、田上本町虫送り太鼓保存会の事務局長。

 

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