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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第1部 子ども】野町夜間保育園 頑張る親子を支え30年

仕事を終え、子どもたちを保育園から車で連れて帰る林真理さん=金沢市野町で

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 金沢市の繁華街・片町近くにある「野町夜間保育園」は深夜まで明かりがともり続ける。「夜に働く方の子どもの福祉も必要」と一九八八年に設立し、今年で三十年。道林信郎園長(64)は「親は頑張っているし、子どもたちはもっと頑張っている。大切な時期の成長を十分に支えていきたい」と話す。(横井武昭)

 八日午後四時すぎ、親子連れが次々やってくる。「おはようございます」。夜間保育園を頼る親たちにとっては、この時間が「朝」だ。母親が「お願いします。じゃあ、バイバイ」と手を振ると、保育士と手をつないだ子どもが「行ってらっしゃい」と見送った。

 保護者の仕事は飲食店経営や接客業、塾の講師などさまざま。オーケストラのメンバーが子どもを預けていたこともあるという。現在、園にはゼロ〜六歳の四十一人がやってくる。

 「連休は何したの」。午後六時からの夕食は会話も弾む。ただ楽しむだけでなく、皿の並べ方や、箸の使い方を学ぶ時間でもある。小学校の給食に備え、決められた時間内で食べる練習もする。夕食後、子どもたちは、母の日のプレゼントの似顔絵を描いたり、折り紙やままごとをしたりし、午後九時までに就寝した。

 夫婦で飲食店を経営する林真理さん(38)は長女愛ちゃん(5つ)、長男慶大郎君(4つ)、次女優ちゃん(1つ)を預けている。優ちゃんが生まれる前は両親に世話を頼んでいたが、子どもが三人に増えて負担が大きくなったことから夜間保育を頼るようになった。「とても助かります。きちんとしたリズムで見てくれるし、安心できる」と話す。

 厚生労働省によると、全国で認可保育施設は約三万三千カ所あるが、認可夜間保育所は八十一カ所しかない。石川県は三カ所。全国夜間保育園連盟の天久(あまひさ)薫会長は「夜間保育は子どもの成長にとって望ましくないという意見は、まだ根強い」と明かす。

 だが、連盟が筑波大と共同で調べたところ、夜と昼の保育園児で発達に違いは見られなかった。天久会長は「保育が必要なのは昼間だけではない。必要とする全ての子どもに等しく保育を保障することが大切」と語る。

 午前零時。保護者が次々と迎えに来る。林さんもパジャマ姿で眠る三人を保育士から一人ずつ抱き渡され、そっと車に乗せた。「ほっとする時間ですね」。寝顔を見てつぶやいた。

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。「紙」と「映像」という異なったメディアを通じ、現代の問題を浮き彫りにします。

 第1部「子どもを守る」の石川テレビの特集は「石川さんプライムニュース」で、10日午後6時25分ごろから放送する予定です。

 

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