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「守る」北陸中日・石川テレビ共同企画

【第1部 子ども】登下校見守り ICカード 商店街と協力

(上)下校時、端末機にUFOカードをかざす男子=石川県羽咋市羽咋小で(小坂亮太撮影)(下)川島力宏さんのスマホに届いた登校を知らせるメール

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 石川県羽咋市羽咋小学校で昨年九月から、インターネットを活用した「登下校の見守り」が行われている。校内の端末機に児童がICカードをかざすと、「学校到着」「下校開始」を保護者にメールで伝える。学校関係者ではなく、市商業協同組合の働き掛けで始まった全国でも珍しい取り組みだ。実は、きっかけは商店街の衰退にあった。(小坂亮太)

 「さよならー」。黄色い帽子をかぶった子どもたちが教室を飛び出し、端末機に向かった。二年の川島茉桜(まお)さん(7つ)がカードをかざす。「ピッ」と鳴ったと同時に、写真館を営む父親、力宏(りきひろ)さん(42)のスマートフォンに「下校開始」のメールが届いた。

 家を出たのに登校した連絡がなかったり、普段より帰宅が遅かったりすれば、事件や事故に巻き込まれた可能性がある。力宏さんは「子どもの変化に気付ける」とカードの効用を説く。

 「UFOのまち」羽咋にちなみ、名称は「UFOカード」。始まりは、商店街の活性化だった。組合理事長の金井亮太郎さん(57)が成功事例を調べ、ポイントカードの導入を思いついた。だが、ICカードにするには資金が足りない。

 自治体の支援を得るには一工夫が必要だった。思案の末、当時、金沢市内の小学校の運動会に包丁を持った男が乱入した事件があったことを例に挙げ、「見守り」にも使うと提案すると羽咋市教委が賛同してくれた。

 二〇一六年度に事業費二千万円のうち国が三分の二を補助することが決まり、準備を進め、昨秋、運用開始にこぎ着けた。利用者はカードを無料で作れる。現在、全児童三百九十八人のうち二百二十八人、市民全体では人口の二割に当たる約四千五百人が保有する。

 市内の七十六店舗で買い物をすると、百円の買い物ごとに一ポイント(一円分)がたまる。店は、登下校時の子どもの「避難所」の役割も担う。浜田弘一教頭は「防犯は地域の力があってこそ」と感謝する。

 一九年度、新たに二校でカードを導入する予定だ。通学路にも端末機を置く案もある。金井さんは「始まったばかり。もっと大きくしたい」と話す。

 機器を運用する複数の業者によると、登下校の見守りに、全国で少なくとも千校がICタグを利用し、百五十校がICカードを利用するが、ポイントカードとの組み合わせは珍しい。商店街が協力する取り組みが広がれば、登下校の見守りにICを利用する学校が増えていくかもしれない。

石川テレビで今夕特集

 北陸中日新聞は石川テレビ放送と「守る」という言葉をもとに取材し、共同報道企画「守る」を隔週で、連載しています。「紙」と「映像」という異なったメディアを通じ、現代の問題を浮き彫りにします。

 第1部「子どもを守る」の石川テレビの特集は、15日午後6時14分〜7時の番組「石川さんみんなのニュース」で放送します。

 

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