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記者コラム 窓

しただみ

 能登各地の海岸に生息する小さな巻き貝は地元で「しただみ」と呼ばれている。その名が冠された穴水町の町民文芸誌「志多民」は一九七九年創刊。「町政への批判も自由に」の精神で町からの補助金は一切受け取らず、資金難の中、町民の協力で綱渡りを続ける。

 現在の発行人、杉森学さん(64)と古びた創刊号を開いてみた。最初に目がいったのは三十八年前の巻頭言。「機械が人間を征服、支配しつゝある」

 杉森さんはうなり声を上げた。「問題意識は同じなんや」。コンピューターに依存する現代人の創造力の劣化を最新号で指摘したばかり。「創造力は人間だけに許された能力。町民の表現の場を残すために発行はやめられない」。小さくとも、いつもそばにあり続ける。しただみのように。 (武藤周吉)

 

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