トップ > 石川 > 記者コラム:窓 > 記事

ここから本文

記者コラム 窓

家族

 東日本大震災から六年。取材で五年ぶりに訪れた被災地には、新しい家族の形があった。

 岩手県陸前高田市の小島幸久さん(45)は、一人娘と妻、両親を失った。二〇一四年秋、知人の紹介で一年後に再婚する後妻と会った。「昔の家族は忘れられない」。初対面の席で小島さんは正直に打ち明けたという。

 結婚後、小島さんは失った家族の墓前で妻に伝えた。「一人では生きられない。不満は死んだ後に聞く」。でも内心では受け止めてくれると思っている。

 昨秋、二人の間に長男が生まれた。今年二月、市内の高台に家業の電器店をオープン。後妻は自宅で毎朝、亡くした妻と娘の遺影に手を合わせてくれる。

 「亡き娘らも含め皆が家族」。夫婦は長男にそう伝え育てるつもりだ。先に逝った家族への感謝も忘れずに。 (吉野淳一)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索