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加賀の千代

待暮も曙もなき紙衣かな(上)

 「千代尼句集」所収。季語は「紙衣(かみこ)」(冬)。「日暮れ時、胸をときめかせて訪れてくる恋人もいなければ、明け方、絹衣の別れに胸を痛めるような人もいない。今はただ老いの紙衣にくるまるだけの身でしかない」との意。<紙衣>は上質の和紙で作った衣服。この句には人を待つ宵(よい)の心も、暁の別れの悲しさも知っている女性が老境に入り、深い諦観に生きているという、しみじみとした響きがある。若い時の経験を基に詠んだ晩年の作で、老いた千代の孤独な素顔を垣間見ることができる句である。 (俳文学会員・山根公)

 

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