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加賀の千代

初しぐれ京にはぬれず瀬田の橋

 「はいかい松の声」所収。季語は「しぐれ」(冬)。「晩秋の京都の町では名物の時雨が降るものと覚悟していたが、怪しい雲をしばしば見かけながらも幸い一度もぬれずに近江国瀬田まで来た。ところが瀬田の唐橋に差しかかると、初時雨が降ってきた」との意。<初しぐれ>は和歌、連歌の世界で磨かれ、洗練されてきた長い文学の伝統に連なる素朴な表現だが、その伝統的な使い方の寂しい雨としてではなく、長い京都行脚の果てに故郷松任へ帰ろうとして、琵琶湖に架かる橋で初時雨に出会えたことに心を弾ませているのである。

 (俳文学会員・山根公)

 

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