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加賀の千代

滝の糸も細るや峰に蝉の声

 「築藻橋」所収。季語は「蝉(せみ)」(夏)。「真夏の日照り続きで滝の水はかれてしまい、細い糸のようにコケや草を伝って落ちている。その辺りの静けさの中でアブラゼミがジージーとうるさく鳴き、ミンミンゼミがミーンミーンと高い声で鳴いている」との意。滝はいつも水が激しく落ちてとどろく一瞬一瞬の躍動感がある。千代は澄み通るセミの声を滝の水がれの静寂の中に聞き、その静寂が無声であるよりも、セミの声があることで一層強く寂しく感じた、という実感が見事に言い止められている。千代二十六歳ごろの作品。 (俳文学会員・山根公)

 

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