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加賀の千代

晩鐘を空におさゆるさくらかな

 「姫の式」他所収。季語は「さくら」(春)。「春の夕暮れ、晩鐘が響いている。淡紅白色の美しい桜の花は、鐘の音の響きを静かにおさえつけるように、ほのぼのと匂っている。そこだけはまだ、夕闇を寄せ付けないかのように花は一面に明るさを残している」との意。晩鐘は夕方に鳴らす寺院などの鐘。入相(いりあい)の鐘ともいう。桜が咲く時期は南の強い季節風が吹いて桜を散らす場合が多い。晩鐘の寂しい音色、一面の桜の花。聴覚と視覚を同時に働かせて花の情景を活写した句である。千代二十四歳ごろの作品。

  (俳文学会員・山根公)

 

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