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加賀の千代

物ぬひや夢たたみこむ師走の夜

 「壬子歳旦」所収。季語は「師走」(冬)。「多忙な師走の寒い夜、夜なべを続けて晴着の縫い物に精を出す。一針一針、心を込めて縫っていたら、どうにか仕上げることができた」との意。昔は大みそかに家族それぞれが新しい下着や晴着をたたんで眠りにつく清浄な心待ちや、一夜明けて晴着に袖を通す緊張感、晴れがましさがいかにも正月らしかった。<夢たたみこむ>は仕上がった晴着に正月の楽しい夢を包み込むように折りたたんでいるということなのである。針仕事にいそしんだ人ならではの句で千代が二十九歳の時に詠んだ。

 (俳文学会員・山根公)

 

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