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加賀の千代

ながき夜やかはりがはりに虫の鳴く

 真蹟。季語は「ながき夜、虫」(秋)。「秋が深まるにつれ、日暮れが早くなり、夜が長くなっていく。マツムシやコオロギ、スズムシなどが代わる代わる鳴いているのが聞こえてくる」との意。千代は病床で、代わる代わる鳴いている虫の声に聞き入っている。鳴く虫をいとおしむ心持ちのどこかに、長い秋の夜をかこつ心情をほのかにうかがわせる句である。美しい音色で寂しげに鳴く虫は「もののあわれ」に根ざした伝統的な俳句の主題。秋の寂しさと同時に命のいとしさやはかなさを感じさせ、秋の情趣を醸し出している。 (俳文学会員・山根公)

 

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