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【シリーズ現場】

減らない自殺者 対策急務 7月末で県内154人 16日まで予防週間

2009年9月11日

世界自殺予防デーに合わせ、相談窓口の周知を図る県職員ら=金沢市香林坊で

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 全国の自殺者数が過去最悪のペースに迫っている。警察庁によると、統計を取り始めた過去三十年間で極めて深刻な状況で、県内でも最近十年は毎年三百人前後が亡くなっているのが現状。背景には先行きの見えない経済不況があるとされ、失業問題に絡んで男性の割合が高いのも特徴の一つだ。十日は世界保健機関(WHO)が提唱する「世界自殺予防デー」。内閣府は十六日までを「自殺予防週間」と定め、県も啓発活動に力を注ぐが、緊急で効果的な対策が求められている。(中村文人)

『死ねば家族が助かる…』

失業、借金…男性の割合高い

 「家族のために死のうと思った」。県内の自営業男性(53)は本紙の取材に対し、重い口を開いた。かつて借金に苦しみ、自ら命を絶つことを考えた経験談を語った。

 「気が付くと『楽な死に方』を探していた」。男性は数年前の自殺願望を明かした。バブル崩壊のあおりを受けて事業に失敗。会社独立の費用に加え、住宅ローンが重なった。消費者金融に手を出し、気が付くと借金は四千万円近くに膨れ上がっていたという。

 総額八千万円の生命保険をかけていた男性は「自分が死ねば家族が助かる」と思った。交通事故を装い、車で岩壁に突っ込もう、がけから転落しよう、と本気で考えた。でも、怖くなって踏みとどまることを繰り返した。

 深い苦悩を救ったのは多重債務の被害者らでつくる団体だった。「同じ境遇の人たちの集まりが心強く、何とかなると思えた」。出会った仲間の助言で自己破産。自宅は手放したが、家族は守ることができた。今は一人で悩まず、前を向く大切さをかみ締めている。

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 警察庁によると、今年七月までの全国の自殺者は前年同期比で約九百人も多く、二万人近くに上る。これは年間三万四千四百二十七人で過去最多だった二〇〇三年に迫る勢いだ。このうち、男性が約71%を占める。県内では平成に入った一九八九年以降の二十年間で五千百六十六人が自殺。〇三年の三百三十二人が最多で、ここ十年は年間二百人を下回ることが一度もない。

 県警などによると、今年七月までの県内の自殺者数は百五十四人。うち男性は全体の約73%(百十二人)を占め、前年同期比3・4ポイントの増加という。

 内閣府の自殺対策推進室は「昨今の不況が背景にあるとも考えられる。男性は仕事上の悩みを一人で抱え込み、自殺に走るケースもあるのでは」と話す。

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 自殺防止対策に行政も本腰を入れる。県は自殺防止緊急対策基金を盛り込んだ補正予算案を県議会九月定例会に提出。民間の相談員とも連携し具体的な対応策について検討を重ねる。相談窓口の周知も図る予定だ。

 県は十日、世界自殺予防デーに合わせた街頭キャンペーンを各地で実施。悩みの相談窓口一覧が載ったグッズを手渡し、「命の大切さ」を呼び掛けた。

 

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